2023.09.06 2023.09.07
検索連動型広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでユーザーが特定のキーワードを検索した際に、そのキーワードに連動して表示される広告のことです。
検索連動型広告の例としては赤枠のように、「スポンサー」または「広告」と表示されている部分です。
このように、検索連動型広告は検索結果にのみ表示されます。また、テキストのみの広告であり、検索結果一覧に馴染むような広告となっているため、広告を回避するユーザーでも広告文に反応させて誘導しやすい広告となっています。
本稿では、様々な種類があるWeb広告の中でも、費用対効果が高いとされている検索連動型広告について解説します。
本稿をお読みになることで
- 検索連動型広告の概要
- 検索連動型広告の特徴
- メリット・デメリット
- 検索連動型広告の始め方とその注意点
といったことがわかりますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
リスティング広告との違い
検索連動型広告は、よくリスティング広告と同義のものとして用いられますが、厳密には違います。
リスティング広告は検索連動型広告とディスプレイ広告をまとめて呼んだものです。
そのため、検索連動型広告=リスティング広告ではありません。
リスティング広告については以下の記事で詳しくまとめているので、合わせてお読みください。
検索連動型広告の特徴
検索連動型広告の特徴としては、大きく分けて以下の3つです。
意図したキーワードに対して広告配信できる
検索連動型広告では、広告主側が広告配信したいキーワードを選んで配信することができます。そのため、ユーザーがどのように商品やサービスを探すかを考え、キーワードを選定します。
例えば転職活動支援サービスを展開している場合、転職活動をするユーザーをターゲットに広告配信します。この場合、「中途 転職」というキーワードや「第二新卒 転職」などの自社のサービスに関連する語句を自由に設定します。
後述しますが、検索連動型広告ではこのようにキーワードを選定する際、キーワードあたりのクリック率やコンバージョンの動きを見ながら適宜調整を繰り返し改善することができます。
キーワード選定は検索広告を配信、運用する上で非常に重要です。キーワード選定のポイントに関してもリスティング広告の記事で一緒に解説しておりますので、是非合わせてお読みください。
※リンククリック後、ページ内の該当箇所へ自動的に遷移します。
上位表示できれば自然検索よりも上部に表示される
冒頭の画像のように、検索連動型広告は上位表示できた場合に自然検索よりも上部に表示されます。
また、2021年の検索順位別クリック率としては以下のようになっています。
検索順位 | クリック率 |
1位 | 13.94% |
2位 | 7.52% |
3位 | 4.68% |
4位 | 3.91% |
5位 | 2.98% |
6位 | 2.42% |
7位 | 2.06% |
8位 | 1.78% |
9位 | 1.46% |
10位 | 1.32% |
※引用元:CTR Research Study: The Largest Ever for SEO
検索順位が1位のものと10位のもので10倍以上の差があるように、上部であればあるほどユーザーにアクセスされる傾向が強くなっています。
自然検索で上位の検索順位を狙って表示させることは難しいですが、検索連動型広告では検索順位をコントロールしやすいという特徴があります。
成果を管理しやすいクリック課金型
純広告は配信枠に対して決められた金額を支払って広告配信するのに対し、検索連動型広告はクリック課金型を採用しています。
クリック課金型とは、ユーザーが広告をクリックした際にのみ費用が発生する課金形式のことで、1クリックあたりいくらまで支払うかという上限値も広告主側で設定できます。
そのため、さらに成果を上げたいというときにはクリック単価を上げるなどで配信を強化するといった対応が可能だったり、純広告のように配信後何も変化が起きていないのに高い広告費だけ払うといった事態を防ぐことができます。
このように、成果をコントロールしやすい点も検索連動型広告の特徴です。
検索連動型広告とSEOの比較
検索連動型広告とよく比較されるものとして、SEO(Search Engine Optimization)があります。
SEOとは検索エンジン最適化という意味で、あるキーワードが検索された際に、特定のサイトを検索結果の上位に表示させる施策のことを指します。
ここでは、検索連動型広告の特徴を、検索結果で上位表示させるという部分で共通する施策であるSEOと比較して解説します。
項目 | 検索連動型広告 | SEO |
費用 | 有料 | 無料 |
クリック率 | SEOと比較すると低い | (上位表示できれば)高い |
検索結果の上位表示 | 費用次第でコントロールしやすい | 不確実 |
上位表示の即効性 | 比較的早い | 遅い |
遷移先ページ | ほぼ自由 | 選べない |
コントロール | しやすい | 非常にしにくい |
このように、検索連動型広告は様々な面で配信のコントロールが可能であり、見通しを立てやすいという性質を持っています。
対してSEOは、上位表示さえできれば広告としてのコストがかからないため費用対効果の高い施策と言えますが、その反面確実性が薄く、コントロールもしにくいという性質を持っています。
しかしこれらはどちらが優れているというわけではなく、どちらも効果的なマーケティング施策ですので併用して施策を行うことをオススメします。
検索連動型広告のメリット・デメリット
検索連動型広告を行うメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
顕在層のみに絞った広告配信ができる
検索連動型広告で配信する際、登録キーワードを自社の名前や商材名にすることで、自社や商材について検索したユーザー=自社のことや商材について既に知っているユーザーへアプローチすることができ、成果へ結びつきやすいというメリットがあります。
すぐに始めることができ、いつでも停止できる
検索連動型広告の持つ特徴として、非常に高い即効性があげられます。
例えば、明日CMを始めたいと思った場合は資金があっても難しいでしょう。しかし、検索連動型広告の場合は審査さえ通ってしまえば最短1日で広告を出稿できます。
少額から始めることができる
検索連動型広告のコストはクリック単価×クリック数で算出されます。そのため、単価を調整するか、コンバージョン見込みの高いユーザーだけにフォーカスした設定をすることで、少額だったとしても予算内での運用が可能です。
効果測定しながら調整できる
広告の管理画面では、何人が広告を見て、何人がクリックし、そのうち何人がコンバージョンしたのかということが計測可能です。
また、Google Analyticsを併用することによってサイト流入後にユーザーがどのような行動をしたのかという部分も分析できます。
そのため、ユーザーの動きからどこがユーザーに求められている情報なのかといった分析や、どこを改善していけばよいのかといったことまで運用しながら調整できるという強みを持っています。
デメリット
興味のないユーザーへアプローチできない
検索連動型広告の仕組み上、既に自社の商品について知っていたり、関連商品にニーズがあるユーザー以外には広告が表示されません。
そのため、認知を獲得するという点では向いていません。
運用に手間がかかる
効果を測定しながら調整できるということは、調整の分だけ手間がかかるということです。
成果を求めるのであれば調整すべきだが、社内に調整に回すだけのリソースがないという方は、広告代理店など外部のリソースを利用しましょう。
外部のリソースを利用する場合はこちらの記事で詳しくまとめているので、ぜひ合わせてお読みください。
クリック単価が高い場合がある
登録したいキーワードによってはその競合性の高さから、上位表示させるためのクリック単価が高くなるケースがあります。
また、クリック単価が高いからといって必ずしも売上が上がるというわけではないため、広告効果を総合的に評価しながら広告戦略を立てましょう。
成果改善のためには専門的な知識が必要
知見やノウハウがない場合、検索連動型広告の配信をしても思うように成果を出せないケースがあります。
これは、広告を配信する上でどこに課題があり、どのような施策を実施し、改善していくかを考えるための専門的な知識や深い分析能力が求められるためです。
社内に知見やノウハウを蓄積させることが目的である場合はそのまま試行錯誤を繰り返して運用することをオススメしますが、成果が目的である場合は広告代理店を利用することをオススメします。
検索連動型広告の始め方
「検索連動型広告を始めたいけど、いきなり大きな額を動かすのは不安」「まずはお試しで少額から始めたい」
ここでは、こういったお悩みを解決する検索連動型広告の始め方を紹介します。
キーワードを絞る
少額の試運転で温度感を知るということが目的でしたら、キーワードを必ず絞りましょう。多くのキーワードを設定することはもちろん可能ですが、その分ユーザーが広告に接触する機会が多くなるため、費用が多くなる可能性が高くなります。
また、登録するキーワードは固有名詞にしましょう。例えば、自社の名前や商品の名前などが該当します。これらを検索してくるユーザーはコンバージョンへ意欲的なユーザーが多く、売上に結びつきやすいため、ここで本当に売れるものなのかを判断しましょう。
ターゲットを絞る
検索連動型広告では、キーワードの他にも曜日や時間帯・地域・年齢・性別などの属性でターゲットを絞ることができます。これにより、広告費用を抑えての配信が可能です。
例えば、プロモーションしたい商材が全国的には有名ではないが、特定の地域では有名であるという場合には、その地域に絞って広告を配信しましょう。
具体的には、広告配信のエリアを絞ったり、登録する検索キーワードに地域名を含めるなどで配信先の地域を絞ることができます。
他にも、自然検索で18時以降などの夜によくユーザーがサイトへ流入してくるという場合には、18時以降の数時間にのみ広告を配信することで広告費用を抑えながら効率的に顕在層のユーザーへアプローチできます。
検索連動型広告を始めたいと考えている方は、まずは10万円未満からでもお試しで運用を始めてみることをオススメします。
検索連動型広告の運用管理ポイント
検索連動型広告を運用する際の基礎設定を整備することは、改善・分析を行う際のスピードや質に関係してきます。
また、不備の予防にもなるため、引継ぎをする際に引き継ぐ側が理解しやすい設計を意識することは非常に重要です。
ここでは、実際に検索連動型広告を運用する際のアカウントの管理方法について、代理店の運用者が実際に行っている工夫を紹介します。
除外キーワードリスト
除外キーワードリストで意識すべきポイントは、以下の3つです。
- 配信除外用と流入整理用は分けて管理する
キャンペーンを集約化する際などに不備のリスクを減らせます。
- 広告グループ単位の除外キーワードはなるべく使用しない(広告グループ間で流入整理が必要な場合は除く)
広告グループ間で設定すると、配信除外と流入整理どちらの目的で設定したかわからなくなることがあります。
- 一時的な除外対応リストは、配信再開する可能性があるクエリをまとめておく
一時的に除外対応をする場合は、後で再度設定する手間が省けるようにクエリでまとめておくと再開するときに便利です。
ポートフォリオ入札戦略
ポートフォリオ入札戦略で意識すべきポイントは、以下の2つです。
- 入札戦略名に設定単価金額を記載する
入札戦略名でわかるように設定することで、キャンペーンページですぐに設定状況を把握でき、作業の効率化に繋がります。
- 基本はすべてポートフォリオ入札戦略で管理する
単価設定変更の手間が省けます。また、重視されているシグナルやCPAの推移もグラフで確認できるため、オススメです。
CVアクション
- 基本は最適化の対象となるCVが1つだったとしてもカスタム指標で管理する
途中で特定のキャンペーンのみマイクロコンバージョン(以下、mCVとする。)を追加したいとなった際に便利かつ、不備の予防にもなります。また、キャンペーンの合計部分で、各キャンペーンがどのCVを最適化の対象にしているかすぐに確認が可能になります。
- マイクロコンバージョンを含むカスタム目標の場合は、()内にmCV名を入れておく
以上のポイントを抑え、改善分析の作業効率化や不備の予防を行いましょう。
注意点
検索連動型広告に限らずですが、広告文や訴求の方法に問題があると広告配信前の審査に落ちてしまったり、配信後に問題となるケースがあります。これらの状況を回避するため、審査へ出す前に必ず以下の点をチェックしましょう。
各媒体のポリシーに準拠する
ポリシーへ違反していた場合、入稿しようとしても審査で落とされてしまい、その広告を配信できません。
このポリシーは様々ですが、誇大広告になっていたり、偏見・差別などの人へ不快感を与える不適切なコンテンツなどがあります。
例えば「この水を飲むだけで若返る」といったものが誇大広告に当てはまります。
設定するタイトルや広告文が、各媒体のポリシーへ違反していないかは入稿前に確認しましょう。
Google広告のポリシーは以下で確認できます。
Google 広告のポリシー – Google 広告ポリシー ヘルプ
第三者である個人の投稿を広告文へ転用する
2023年7月に人気化粧品ブランドが自社Twitterアカウントにて投稿した内容が、関係のない第三者の投稿を一字一句違わずに投稿していたことが判明し、問題になりました。
本件はTwitter上での問題でしたが、投稿内容によっては検索連動型広告でも広告文として同じことができる可能性があります。
個人のプライバシーを尊重し、ターゲットとなる顧客に不快な感情を抱かせない広告を意識して設定しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
ここまで、検索連動型広告の概要や特徴、メリット・デメリット、始め方について解説してきましたが、最後に本記事の要点をまとめました。
- 検索連動型広告はリスティング広告ではなく、リスティング広告の一種である
- 検索連動型広告とSEOは併用して行う
- 検索連動型広告は認知獲得には弱いがコンバージョン獲得に向いている広告
- キーワードを登録する際は商標登録されているかを必ず確認する
この記事が、読者の皆様が抱えているお悩みを解決する一助になれていれば幸いです。
marke@bcj
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