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自動入札におけるデバイス別入札価格調整率の活用方法【事例つき】

2022.02.08 2019.04.22 

自動入札におけるデバイス別入札価格調整率の活用方法【事例つき】

みなさん、こんにちは。いつもBCJのブログをチェックいただきありがとうございます。

今回は、自動入札の調整方法に関して取り上げたいと思います。2月にリリースされていました、Yahoo!スポンサードサーチの自動入札におけるデバイス別の入札価格調整率の適用範囲が、4/12より順次アカウントに適用されるようになりました。こちらのアップデートは4/26を目処にすべてのアカウントに適用見込みとのことです。

こちらの機能は以前よりGoogle広告には適用されている内容ですが、改めて今回の機能はどういったメリットがあるのか、日々の管理においてどのように活用すべきか、事例を織り交ぜて紹介させていただきます。

Yahoo!スポンサードサーチのアップデート情報

今回のYahoo!スポンサードサーチのアップデートの概要は以下の通りです。

Yahoo!スポンサードサーチにて利用可能な自動入札タイプ「コンバージョン単価の目標値」に関して、入札タイプを適用しているキャンペーンと配下の広告グループに設定できるデバイスの調整の範囲が変更になりました。

変更前 -100%」=配信停止のみ適用
変更後 引き上げは「0%~900%
引き下げは「-1%~-90%、-100%」が適用

これまでは、自動入札タイプ「コンバージョン単価の目標値」においては、基本的にデバイスごとの調整はできず、配信停止にあたる「-100%」のみ適用されていましたが、今回の適用範囲の拡大によって、デバイスごとの目標コンバージョン単価の調整が可能になりました。

参照:「【スポンサードサーチ】自動入札における、デバイス別入札価格調整率の有効範囲拡大について」

自動入札におけるデバイス別入札比率調整の仕組み

ここで、自動入札におけるデバイス別入札比率の調整は、設定内容によってどういった挙動になるのかお伝えさせていただきます。

デバイス別の入札比率調整は、目標CPAの金額に対して調整が加わる仕様となっており、全体の目標CPAが10,000円に対して、スマホのデバイス比率を-20%と設定した場合、スマホのみ目標CPAが8,000円※になり自動最適化を図ります。

※ CPA目標10,000円×(100-20)/100 = 8,000円

例えば、目標CPAが10,000円で自動入札タイプ「コンバージョン単価の目標値」を導入しているキャンペーンにて以下のような結果が得られたとします。

CV CPA ご利用金額
50 ¥10,000 ¥500,000

目標CPA 10,000円で配信できているため、改善の余地は一見なさそうに見えます。しかし、こちらのキャンペーンをデバイスで分割して成果を確認すると

CV CPA ご利用金額
全体 50 ¥10,000 ¥500,000
PC 15 ¥14,000 ¥210,000
スマホ 30 ¥8,000 ¥240,000
タブレット 5 ¥10,000 ¥50,000

PCのCPAが14,000円と、全体のCPAを押し上げており、スマホに関しては配信強化の余地があることがわかります。

こういったケースにおいて、デバイスごとに入札比率の調整を行えば下記のような改善が期待できます。

デバイス調整比 目標CPA CV CPA ご利用金額
全体 ¥10,000 50 ¥9,340 ¥467,000
PC 0% ¥10,000 12 ¥10,000 ¥120,000
スマホ -10% ¥9,000 33 ¥9,000 ¥297,000
タブレット 0% ¥10,000 5 ¥10,000 ¥50,000

デバイス比率を調整することによって、PCはPCのみのCPAが10,000円になるように最適化が図られ、一方スマホは目標CPA 9,000円になるように配信強化を行います。

その結果全体のCPAの抑制に加え、全体のご利用金額を抑えることができ、浮いた広告ご予算を別の施策投下に活かすなど新たな施策展開が期待できます。

事例:デバイスごとの目標CPA管理でCPAを大幅改善!!

あるECサイトのお客様のキャンペーン管理において、サイト上での購入の最大化のため、CVポイントを購入完了、マイクロコンバージョン(mCV)※をお客様情報の入力フォームの到達ページとして、自動入札機能を用いて管理してました。

※マイクロコンバージョンとは、最終目標のCV地点よりも少し手前のポイントをCV計測することにより、CVにつながるユーザーのデータの総量を増やし、自動入札機能の学習効果を高める施策のことです。

参考:「見込み顧客をマイクロコンバージョンポイントで取り込み、予約獲得数を 128.2% 増加させた高級宿予約サイト Relux」

しかし、月を追うごとにマイクロコンバージョンは増えるものの、肝心な購入数が増えず、全体のCPAが上昇する状況が続いてました。

この時、自動入札の調整はデバイス調整を行わず、キャンペーン全体の目標CPAで管理していたのですが、デバイスごとの成果を確認したところ下記のようなデータが得られました。

ご利用金額 mCV mCPA mCVR CV CPA CVR
全体 ¥802,690 106 ¥7,551 1.26% 17 ¥47,217 0.20%
PC ¥307,404 37 ¥8,308 1.56% 8 ¥38,426 0.34%
スマホ ¥446,299 67 ¥6,627 1.22% 9 ¥49,589 0.16%
タブレット ¥48,987 2 ¥24,494 0.35% 0

お客様情報の入力フォームの到達であるmCVはスマホがもっとも獲得効率が良いため、積極的にスマホに配信を強化しているものの、そこから購入であるCVはなかなか獲得できておらず、全体のCPAを上昇させていました。

この結果を踏まえ、スマホのmCPAの目標を別途管理し調整を行った結果、翌月の配信結果は下記の通りになりました。

ご利用金額 mCV mCPA mCVR CV CPA CVR
全体 ¥283,822 68 ¥4,149 1.86% 11 ¥25,802 0.30%
PC ¥168,908 39 ¥4,285 2.49% 8 ¥21,114 0.50%
スマホ ¥103,670 28 ¥3,701 1.48% 3 ¥34,557 0.16%
タブレット ¥11,244 1 ¥11,244 0.51% 0

全体の獲得数は減少したものの、獲得効率の良いPCにご予算を寄せることができ、CPAを大きく改善することができました。

また、余った広告ご予算に関しては、その他のキャンペーンに充ててアカウント全体のCV数を改善することができました。

さいごに

以上のように、自動入札におけるデバイス別入札比率の調整は、デバイスごとの適切なCPAの管理を可能にすることができるため、ぜひ積極的に活用いただければと思います。

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BCJ管理人

BCJ管理人

ブルースクレイ・ジャパン(株)サイトの管理人です。 担当業務は全ファネル領域におけるサイト改善コンサルです。

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