今回のマッチタイプアップデートについて

今年に入り、Google広告において絞り込み部分一致が廃止されフレーズ一致に統合されるというアップデートが発表されました。
この発表は結構話題になったので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

絞り込み部分一致といえば多くの広告運用者が使用しているであろう機能なので、業界でも驚きの声が多く上がっていたと聞いています。

そんなアップデートですが、Yahooでも同様の仕様変更が行われると公式に発表がありましたので、このタイミングで今回の仕様変更についてまとめようと思います。

マッチタイプのおさらい

現在あるマッチタイプの種類は全部で4種類あります。

完全一致（精度重視）
部分一致（リーチ重視）
絞り込み部分一致（精度とリーチのバランス型）
フレーズ一致（精度とリーチのバランス型）

用途に合わせてこれらのマッチタイプを使い分けるわけですが、ここ最近では類似パターンの広がり方も大きくなっていました。
今の仕組みとしてはテキスト自体が完全にマッチしていなくても、意味が同じであれば広告表示がされます。
そのためフレーズ一致と絞り部分一致の使い分けが曖昧になってきていたのではないかなと筆者は考えています。
（Googleヘルプにも”フレーズ一致と絞り込み部分一致がしばしば同様の用途で使用されている”と記載があります。）

今回の変更について

マッチタイプの「絞り込み部分一致」が廃止されます。
キーワードの一部のみ絞り込むことも不可となります。

また、従来の「フレーズ一致」に「絞り込み部分一致」の動作が組み込まれます。
「フレーズ一致」に「絞り込み部分一致」が統合されたという表現がイメージしやすいかもしれません。

参考：Googleヘルプ

実装時期

各媒体の変更が適応される時期は以下のように発表されています。
Google：2021年7月
Yahoo：2021年6月頃

また、Google、Yahooともに7月には「絞り込み部分一致」の新規作成ができなくなる予定です。

注意点

除外（対象外）キーワードには影響しない

今回の変更に関しては、除外キーワードのマッチタイプには影響しません。

トラフィック増減の可能性

現在登録されているキーワードを一度見直しておいたほうが良いでしょう。
以下の場合、トラフィックに変動が起きる可能性があります。

現在登録されているフレーズ一致キーワード：
今回の変更で、絞り込み部分一致の動作も組み込まれるため、トラフィックが増加する可能性があります。

現在登録されている、一部のみ絞り込んだキーワード：
「+求人　正社員」のように、一部のみ絞り込んでいるキーワードがある場合、今回の変更で、「+求人　+正社員」と同様の挙動をするようになります。

そのため、今回の例でいうと「正社員」の部分一致としての拡張性がなくなるため、トラフィックが減少する可能性があります。

絞り込み部分一致をフレーズ一致に変換する必要性

既存の絞り込み部分一致キーワードはそのまま運用することができます。
フレーズ一致の形式に変換しても見かけの整理以外には特にメリットはありません。

仮にフレーズ一致の形式に変換した場合は、絞り込み部分一致キーワードのこれまでの掲載結果データは引き継がれない為注意が必要です。

また、絞り込み部分一致キーワードをフレーズ一致形式に変換するためのツールが年内にリリース予定となっています（現状Googleのみアナウンスあり）

事前にできる準備

必須で対応しなければならないことは特にありませんが、変更時のタイミングでは掲載結果データを注視し、必要に応じて入札単価、予算、ターゲティングを調整を行う必要があります。

おわりに

Googleからのお知らせにもありますが、1日の検索数の15%は過去に検索がされたことのない検索語句であると言われています。
それだけユーザーのニーズは多様化しているということでしょう。

過去のアップデートでも、度々マッチタイプで拾うことのできる検索語句の拡大がなされてきましたが、
今回の仕様変更で本格的に単なる”文字の一致”から”意味の一致”へと移り変わったのではないでしょうか。

数年前では考えられないほどAIによる学習機能は向上しています。
自動入札やマッチタイプを上手に使って運用工数を簡略化し、それにより空いた時間をどう使っていくべきなのか、考えてみる良いタイミングかもしれません。