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外部要因に適応するGoogle広告戦略【ウェビナーレポート】(後編)

2021.01.12 2022.02.08

外部要因に適応するGoogle広告戦略【ウェビナーレポート】(後編)

前回の『外部要因に適応するGoogle広告戦略』のウェビナーレポート前編の続きをお届けします!

※前編をまだ読んでいない方は、ぜひ前編を先にご覧ください

メディア・イベント|<外部要因に対する施策>

2点目のテーマ、メディア・イベント系に対してですが、
特に突発的な注目に対しての広告表示など、イレギュラー性が高いテーマかなと思います。

外部要因に対する施策、メディア・イベント編として
どんなことができるかについてお話します。

キーワードの検索数が急激に増加した場合

メディアやイベントにおいてテレビ放送などで指名関連キーワードの検索数が増加し、
ポジティブに注目されたケースがあったとします。

このような場合は、広告表示機会の損失を起こさないようにするということが
重要なポイントになります。

せっかく注目してもらっているのに、検索時に意図したページを表示できない、
流動できないでは非常にもったいないです。
こうならない為に余裕を持ったキャンペーンの予算設定にします。

1日の予算設定はキャンペーン単位という広告管理画面上の一つの箱の中で行うことができ、例えばキャンペーン予算1万にしていた場合1日の設定予算の2倍まで配信される
仕組みになっています。

それ以上の超過分は返金対象として、ある程度アッパーをかけることができます。
アッパーがかかるのは過剰な予算を使わないという点では良い側面がありますが、
先ほどのような表示機会の損失も考えられるため突然の数値変化に対応するために
予算を多く設定することが必要な場合もあります。

もう一つのやり方として、
自動化ルール設定でこれらの通知、停止、予算変更などを行うという施策もあります。

これは実際、管理画面の中の機能で、特定の条件、例えば当日の何時何分にデータが
ある値を超えていたらキャンペーンの停止、予算の変更、メール通知などの
アクションを行う設定をすることが可能です。

このようなルールをうまく活用することで突発的な数字変化に対して、
対応性を高める事が出来ます。

3つ目はメディアで流入したユーザーを刈り取るための施策です。

特にメディアに紹介されたとなると今まで接点がなかったユーザーが
多くWebサイトに訪れていることも想定されます。
そういったユーザーは今までのユーザーとは毛色が違うことも考えられますので、
そのようなユーザーには独立のコミュニケーションを展開するという選択をします。

その施策の1つとして特定期間に訪問したユーザーの
リマーケティングを行うことがあげられます。

リマーケティングというと特定のページに訪れた人やそのページに訪れてから
何日以内の人といった条件でタイピングすることが多いですが、
例えばGoogle広告の機能では特定の期間内、
例えば6月1日から3日の3日間に来たユーザーに対して広告を表示するというような
条件指定を行うことができます。

そういったメディアでの紹介で突発的に増えた流入に対して特定の配信を行う、
もしくは除外をするといった選択ができます。

メディアで突発的にロスした事例を一つご紹介します。

朝の情報番組である商品が紹介されたことでその商品名、キーワード、
ブランドキーワード検索が急増しました。
朝の3時間この指名キーワードだけで通常の出入り予算の3倍程のコストが出ました。

例えば放送の前日であれば600程のインプレッションと1000円くらいのコストだったのが、
当日は約36000円と30倍以上のコストと流入量になっていました。

時間帯別で見ると黄色の折れ線の当日のインプレッションが番組で紹介された9時で
ピークを迎えていて、その後もお昼時の12時頃もある程度維持して、
そこから穏やかにいつも通りの推移に戻るという変化でした。

このアカウントはキャンペーン予算を日頃から余裕を持って設定していたので、
比較的この表示機会の損失を抑制することができました。

ここで気になるのが、実際にクリックがあったからといって商品が売れたのか、
コンバージョンの推移についてです。

コンバージョンについて分析したところ、放送前の約5日間近くはCPA=獲得単価が
約2700円なのに対し、テレビ放送当日はCPA2600円くらいで通常と変わらない
CPA=獲得単価でした。

つまり同じような獲得単価で獲得数を伸ばすことができて、
インプレッションにコンバージョンがついてきた非常にいいパターンでした。

コンバージョンが取れる特徴というのも時間帯別で見ると面白い特徴があって、
9時台にコンバージョンがぐっと上がっているのですが、
その後のお昼ぐらいの方がもっとコンバージョンが上がっていました。

つまり朝に商品のことを知りランチタイムなどに購入するといった
行動パターンだったことが分かります。

そのため、購入目的でサイトに訪れたのにウェブサイトが表示されていないと
機会損失に繋がってしまうので、適正な予算設定が非常に重要であるということです。

以上が事例を含めた施策、メディア系の施策の紹介でございました。

メディア・イベントの分析方法

ではこのメディア・イベントなどの分析で、
こういった突発性のものや話題性があるものに対して、どのようにキャッチアップして
分析したらいいのかについてお話します。

①Googleアラート

1点目に紹介したいのがGoogleアラートというツールです。

GoogleアラートはGoogle社の提供している無料ツールで、
特定のキーワードを登録するとそのキーワードが含まれる情報がWebに流れた際に、
自動的に通知してくれるという機能になります。
実際管理画面でアラートを作成する際、通知内容をかなりカスタマイズすることが可能です。

表示するコンテンツはソースと言われている所から選択できます。
例えばニュースに関連したものだけ集めたいとか、
ブログ・ウェブ・ビデオなど様々なソースの情報を収集したいというときに、
それらを選択することができます。

そして通知の頻度もその都度の報告するのか、
一日一回、週一回など選択することが可能です。
通知方法はGメールもしくはRSSフィードから選択できます。

そのため、競合や自社の展開しているサービスのキーワード、
その競合名などをキーワードとしてセッティングすることで、
自分が指定したソースや頻度に応じてメール等で受信することができます。

例えばWeb広告などは海外からのアップデートが多いため、
設定キーワードをGoogle Adsなど英語にし、地域も米国などに設定することで
アメリカの中で話題になっている広告情報を受信することが出来るため、
アップデート情報等を比較的早いタイミングでキャッチアップすることが可能になります。

個人がそのような情報をキャッチアップする分には
GmailやRSSフィードがあれば十分ですが、プロジェクトのメンバーや組織単位で
情報を共有しあう場合Google Apps Scriptを活用する方法があります。

Googleアラートで上がってきたものをGメールなどで受信しても、
メールだけだと共有性が低くなります。メーリングリストで情報発信しても、
人によっては見る頻度が少なかったり、深く見ない場合が多々あります。
それだと組織の動きが鈍化してしまうので、共有性を高めるため
Google Apps Scriptを使ってプログラミング、コードで自動化処理をします。

ほとんどJava Scriptみたいなもので、メールで受信したGoogleアラートの情報を
Googleスプレッドシートなどに自動的に記録させることも可能です。

自動的に記録できれば、過去どういったアラートが出ていたかを時系列で
追うこともできるし、GoogleスプレッドシートであればGoogle Data Portalのような
BI系のダッシュボードツールと連携することで情報を一元管理することも可能です。

Google Apps ScriptはGASと言いますが、メールの情報をGASの中でうまく加工して
ChatworkもしくはSlackなどのチャット系ツールと連動することによって、
関係者と共通情報を比較的リアルタイムにシェアすることができます。

組織としてのアクションを繋ぎやすい管理手法としてこのようなものを活用することも
重要です。実際に私もその競合関連や自社サービスなどを社内で共有しております。

②Google検索「ツール」機能

続いて紹介したいのがGoogle検索のツール機能です。
これは、Google検索の標準機能で検索結果を条件で絞り込んで効率的に検索できます。

“すべて”の検索結果で時間指定をすることで、特定の期間その検索語句で
ニュースになっていた事やサイトにアップしたページを見ることができます。

こういった機能を活用し、過去どういうものがアップされていたかを解析する
という手法もあります。

 

ここまでがメディア・イベント、特に突発的な注目されやすいような事柄に対する施策、
そして解析手法の紹介でした。

時期・その他|<外部要因に対する施策>

最後に、時期要因やその他の要因に対して行う施策管理についてお話します。

時期対応について、例えば季節性の強い商品、バレンタインデーのような
一時的な繁忙期やアパレルブランドの年末年始のセールなど様々な時期的な波があります。

これらに対して戦略通り広告配信を行うための施策を紹介させていただきます。

①年間計画の立案

1点目は効率的に配信を実施するために年間計画を立案することです。

広告の管理画面の機能などではないですが、しっかりプロモーションを管理・展開する上で
目先の出来事に対して右往左往するのではなく、年間を通じて何をすべきかを
計画しておくというのが非常に重要です。

特にバナーが必要になるとかLPを変更するなどは、多くの関係者の方の確認や制作などの
スケジューリングが発生するため、そこに計画的にスケジュールを引くことによって
円滑にプロモーションを実行することができます。

2点目は短いイベントに対する施策です。
セールプロモーションなら“季節性の調整機能”を活用するというものがあります。

これはGoogle広告の機能の一つで見込まれるコンバージョン率の変化を
事前に登録しておくことにより、自動入札機能の動作を調整できるというものです。
現在は多くの広告アカウントで、自動入札機能が適用されているかと思います。
自動入札機能は良くも悪くもデータを元に最適な入札単価で配信を行ってくれますが、
突発的に変化が起きた場合、瞬時に判断しづらいということが挙げられます。

そのため、この期間CVRはこれくらい変化するという情報を季節性の調整を用いて
配信メディア側に伝えます。これは事前情報を元に、自動入札の最適化がかかって
入札の後押しになるような機能になっていて、短いイベント、特に1日のみとか
7日間ぐらいのイベントに最適と言われています。

また、年末年始やバレンタインデーなどの一般的な年中行事による影響は自動入札機能の
動作にあらかじめ組み込まれています。ただこの年中行事は明確には公開、
明示されていないので何が年中行事なのか非常に曖昧な部分が残っています。

特に年中行事はその国や文化によっても違いますので、
それらがどこまで加味されているかもすこし不安要素ではあります。

14日間を超えるような長い期間のイベントであれば季節調整は
そこまでやらなくてもいいという考え方もあります。
これは自動入札は直近のデータを最適化のシグナルとして強く見る特徴があるため、
7日間くらいある程度CVRが上がっている特徴があれば、
自動入札がイベントの特徴に合わせて最適化を行ってくれるという理由です。

時期的変化に対する分析方法

では時期変化に関連した分析の方法の観点についてお話します。
まず1つがGoogleトレンドというツールを使ったやり方です。

Googleトレンドはご利用された方もいるかと思いますが、
Googleで検索されるキーワードの検索回数の推移が分かる
Google社が提供してる無料のツールになります。

実際に何かキーワードを入れるとこのようにグラフで表示されます。

Googleトレンドは検索ボリュームの絶対数を表示させたものではなくて、
その検索キーワードで最も検索された状態を100とした時の相対的な変化推移を
グラフ化したものです。

例えば「コロナ」というキーワードですと突発的に注目された
今年になって(※セミナー開催は2020年の6月です)盛り上がってるグラフになっています。
(※グラフ左上)

競合比較で、自社ブランドと競合ブランドのキーワードの比較などはよく使うパターンです。
この場合ですと、鬼滅の刃とワンピースの人気の漫画2つの比較ですが、
去年末ぐらいから鬼滅の刃がワンピースを抜いており検索ボリュームで、
ピークになっています。(※グラフ右上)

そして季節性では、お歳暮のように決まった期間に訪れるという
特徴もありますし(※グラフ左下)、比較的変化が少ないようなものは、
安定的なグラフ推移であることが分かります(※グラフ右下)。

状況に応じて、こういったトレンドを把握することで注目度が確認できます。

その他の分析手法

その他の分析手法もいくつかありますので、ご紹介したいと思います。

①Yahoo!リアルタイム

1点目がYahoo!リアルタイムというもので、
これはtwitterに投稿されたツイートをログインなしで検索することができます。

今Yahoo!社とtwitter社が提携しているため、
Yahoo!のサイト内でこのようなことが実現できています。

ツイートは内容把握だけでなく、twitterの推移や感情の割合、
一緒にツイートされているワードなど、比較的ソーシャル上でのユーザーの動きを
把握することができるので、ソーシャル系の分析という観点で
このYahoo!リアルタイムを活用できます。

ソーシャル系の分析において、ソーシャルリスニングというソーシャル上での
”声”を拾うマーケティング手法について、tipsとして紹介させて頂きます。

例えばtwitterのAPIを活用して特定の検索語句を含むツイートや
特定のアカウントのツイーを意図的に抽出します。

これは例えばpythonのTweepyというライブラリを使ってAPIに接続し、
CSVもしくはスプレッドシートなどに保存することで加工しやすくして、
テキストマイニング、形態素解析などを行って示唆を得やすくするというのです。

もちろんソーシャルリスニングに特化した有料版のツールを使うというのもありますが、
この流れが全部無料でできるので、ソーシャルリスニングする時は、
私はこのようなやり方で分析することがあります。

まとめ

まとめに入りますが、
本日は外的要因に関するテーマとして競合、メディア・イベント、時期の
3つのテーマについて話をさせていただきました。

そして、それに対するいくつかの施策、解析手法について紹介させていただきました。

 

その場その場の状況によって投じる施策、解析のやり方も変わってきますが、
本日の紹介にも一部ありましたが、右側の解析一覧はほとんど
“無料”で行えるものばかりなので、ぜひ何かしらを実行、解析してみてください。

 

登壇者紹介

 

 

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BCJ管理人

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ブルースクレイ・ジャパン(株)サイトの管理人です。 担当業務は全ファネル領域におけるサイト改善コンサルです。

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