2023.09.05 2023.09.06
「リスティング広告の運用代行を依頼したいが、どの代理店を選べばいいかわからない」「代理店へ支払う費用の相場は?」「自社は広告代理店に依頼すべきなのかわからない」
本稿をお読みの皆様は、このようなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
本稿をお読みになることで
- 広告代理店へ支払う費用の相場
- 広告代理店へ依頼するメリット・デメリット
- 自社がインハウスと広告代理店、どちらで広告運用すべきなのか
- 数ある広告代理店の中から自社に合いそうな代理店を探す方法
- 広告代理店へ依頼する前に確認すべきこと
といったことがわかります。
是非、読者の皆様のお悩み解決に本稿をご活用ください。
またリスティング広告に関しては、以下の記事で詳しく解説しているので是非合わせてお読みください。
目次
リスティング広告代理店は何をしてくれるのか
結論から申し上げますと、代理店によって請け負ってくれる範囲は様々であり、一概に言うことはできません。
しかし、多くの場合でアカウント開設から運用までの依頼は可能です。
また、大手の広告代理店の場合なら、リスティング広告運用代行だけでなくSNS広告の運用やそのための撮影、オフラインの広告に至るまで依頼することができます。
「じゃあ、大手の代理店へ依頼すれば解決するのでは?」とお考えになる方もいるかと思います。後ほど詳しく解説しますが、大手の広告代理店になると、広告費用が低い場合に依頼ができない可能性があります。
そのため、自社の広告費用に合った規模の代理店を選ぶようにしましょう。
インハウスと比較した広告代理店のメリット・デメリット
企業におけるインハウスとは外部業者に委託せず、社内・組織内で業務を行うことを指します。
ここでは、広告運用をインハウスで行った際と、広告代理店を利用した際のメリット・デメリットについて解説します。
表で理解するメリット・デメリット
運用者 | メリット | デメリット |
広告代理店 |
|
|
インハウス |
|
|
*媒体社との連携が困難:広告主側もGoogle、Yahoo!から専属のパートナーを通じて媒体の最新情報を提供してもらうことは可能です。しかし、情報を提供してもらうには明確な条件はありませんが、一定の広告出稿量などの諸条件を満たしていることが必要になります。
インハウスで広告運用することで、運用代行手数料分のコストが削減できたり、スピード感のある運用が可能というメリットがあります。
しかし、リスティング広告は情報戦の面も備えていることを考えると、業界の広告情報のキャッチアップが遅れたり、Google、Yahoo!などの媒体社から最新情報を提供してもらえるようになるハードルが高いというデメリットは決して無視できません。
自社の状況とこれらメリット・デメリットを照らし合わせ、代理店へ依頼すべきか、インハウスで運用すべきか、混合での運用という形にすべきかを判断しましょう。
インハウスと広告代理店、どちらで運用すべき?
「代理店に依頼すべきなのかわからない」というお悩みについて解説します。
回答としては、まずは自社でリスティング広告の運用を行ってみることをオススメします。
運用をしてみた結果、LP*の制作や広告文の設定、入札状況の調整といった部分への自社に必要なリソースや今後解決すべき課題が見えてきます。
これらを鑑みた時に、インハウスで運用すべきか広告代理店へ依頼すべきかをメリット・デメリットと照らし合わせることで判断できるようになります。
*LP:Landing Page(ランディングページ)の略。検索や広告などでサイト訪問者が一番最初に訪れる(アクセスする)ページのこと。
広告代理店における手数料の相場
広告代理店を利用する際、運用代行手数料という形で代理店へ報酬を支払います。
ここでは、広告運用代行手数料の形態や相場、広告費用の導き出し方について解説します。
手数料率型 | 広告費用に応じて割合で手数料が変動。この型が最も多い。 |
定額型 | 広告費関係なく、事前に決めた額を指定期間毎に支払う。 |
成果報酬型 | 成果に応じて広告手数料が変動。 |
手数料の相場
広告代理店への報酬にあたる運用代行手数料には、3つの種類があります。その中でも、ほとんどの代理店で用いられている形態は手数料率型で、広告費用の20%が相場です。
ここでは、それぞれの手数料形態について解説します。
手数料率型
こちらが、最も多いパターンで、広告費用に応じた割合(一般的な相場は20%)で手数料が変動します。そのため、広告費用が高ければ高いほど手数料も高くなります。
広告費用が高い場合、代理店によっては交渉が可能なところもあります。
この手数料は広告費用とは別途で発生する料金で、例えば、広告費用が100万円である場合にはその20%が手数料として発生するため、20万円が運用代行手数料となります。
定額型
広告費用に関係なく、契約の際に決めた額だけ報酬を支払う形態です。
報酬を支払うスパンは月額か年額である場合がほとんどで、広告費用が高くても代理店側へ支払う金額は変わりません。
成果報酬型
商品購入数や参加申し込み数などの成果次第で支払う金額が変わる形態です。
リスティング広告の成果が出るまで、代理店に対し手数料を払う必要がありません。そのため、運用代行の初期費用や成果が出ていないのにも関わらず毎月運用手数料を支払う必要がないというメリットがあります。反面、成果と判定する定義によっては運用手数料が高くなる可能性があるため、注意が必要です。
広告費用の予算はどう決める?
では、実際に広告代理店へ依頼する際に必要な広告予算の算出方法について解説します。
広告予算を算出するにあたり、顧客獲得単価や、顧客獲得数などの具体的な目標が必要になります。これらが決まっている場合、以下の計算方法で算出できます。
目標CPA(顧客獲得単価)×目標CV数(顧客獲得数)
例えば、1人あたり1000円のコスト(顧客獲得単価)で顧客を100人獲得したい(顧客獲得数)場合には
1000(円)×100(人)=100000(円)
となります。
また、リスティング広告は広告配信データに対し分析、改善を繰り返して成果を出していきます。そのため、初回から成果が出るケースも稀にありますが、3か月程度の計画を立て、中期的な目線で見て成果の達成状況の評価、広告予算の決定を行いましょう。
※運用をする際には、まずは金額を抑えて運用しましょう。広告による成果が得られたら、徐々に広告予算を拡大するという形をオススメします。
リスティング広告代理店の効率的な探し方
「自社に合った広告代理店の候補を絞りたい」「リスティング広告運用代行を依頼したいが、どこで探せばいいかわからない」
ここでは、そのようなお悩みを解決します。
自社の広告予算と合った規模かどうか
まずは、自社の広告予算と合った規模の代理店で絞り込みましょう。
先述したように、代理店の規模によっては広告予算額によって依頼できないケースがあります。それだけでなく、代理店から見て少額な広告予算の場合、依頼できても経験のない人物が運用担当者になるケースもあります。
逆に、広告予算が1000万円前後ある場合は大手よりも中堅規模の代理店の方がエース級を運用担当者にしてくれる場合もあります。
では具体的に、予算帯別でどの程度の規模の代理店を選ぶべきか解説します。
広告予算が月額1000万以上
大手広告代理店を視野に入れながら、中堅企業も交えてコンペを行いましょう。
大手広告代理店であっても、チームや担当者によって自社と合わない場合があります。
コンペ後には、運用担当者などの実際に関わることになる人物の履歴まで確認することをオススメします。
広告予算が月額1000万前後
大手広告代理店へ依頼する場合は、月額1000万前後ほどの広告予算では経験のない社員がアサインされるということがあります。
逆に中堅規模の広告代理店からすると、1000万前後の広告予算はビッグクライアントと見なされ社内のエース級をアサインしてくれることがあるため、中堅企業をメインに探すことをオススメします。
広告予算が月額50万~数百万ほど
広告予算が月額50万~数百万ほどの場合は、中堅企業に加え、中小企業も視野に入れて探すことをオススメします。
中小企業の場合は、大手企業などで経験を積んだ人物で運営していることがあります。その場合、少額で大手企業での経験を活かしたクオリティのサービスを受けることができることがあります。
しかし、そのような場合ばかりではないため、中小企業に依頼する場合は特に担当者の実力を測って選ぶことが重要です。
広告予算が10万~50万ほど
広告予算が月額10万~50万ほどの場合は、中小企業をメインに探します。
先述したように、中小企業に依頼する場合は担当者の実力を測るほか、自社の業界での成功実績があるかを確認することをオススメします。
広告予算が10万以下
広告予算が10万以下の場合は、インハウスでの広告運用をオススメします。
また、最近ではフリーランスの運用者に依頼するケースもあります。Web広告の知見が一切なく、自社で運用することが不安である場合は、フリーランスの運用者を探すことも視野に入れましょう。
リスティング広告運用以外のサービスはなにか
マーケティングを行う際、リスティング広告以外の媒体でも配信する必要が出てくることがあります。そのような状況にも対応できるように、リスティング広告以外にはどのようなサービスを取り扱っているかという点も確認しておきましょう。
また、広告運用をするにあたって、運用だけを行う代理店もあれば、LP制作やコンサルティングまで行う代理店もあります。自社でLPを制作するリソースがない場合や、運用のみ任せて自社だけでPDCAを回すのが不安という場合には、LP制作やコンサルティングまで行っている代理店がオススメです。
各媒体社の認定パートナーから探す
広告代理店に対し、GoogleやYahoo!などの各媒体社が定める広告配信の実績などの条件を満たす場合は認定パートナーとして選出されます。
付き合う広告代理店の候補を探すときは、各媒体社の認定パートナー一覧から探すことで、実績や信頼のある広告代理店を見つけやすくなるでしょう。
また、認定パートナーにもランクがあり、Googleの場合はPremier Partnerが最上位の認定ランクであり、Yahoo!の場合は7つ星が最高ランクです。
弊社ブルースクレイ・ジャパンはGoogle Premier Partnerに選出されており、Yahoo!では2つ星に選出されております。
認定パートナー一覧は以下で確認できます。
Google Partners ディレクトリ – ビジネスを次のレベルに引き上げてくれる最適なパートナーを検索
Yahoo!
セールスパートナー 一覧 – Yahoo!マーケティングソリューション
広告代理店紹介サービスを利用する
この記事をお読みになっている皆様の中には「そもそも代理店をどうやって探せばいいのかわからない・・・」といったことでお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、条件を指定することでその条件に合った代理店を見つけてくれるサービスを2つ紹介します。
AD HOOP(アドフープ)
AD HOOPは、Webマーケティング業界で20年の実績がある株式会社イルグルムが運営するサービスで、株式会社イルグルムの代表的なサービスは「AD EBiS(アドエビス)」です。
広告費用や報酬形態などの指定した条件にヒットした企業を、それぞれの得意業種・業界まで確認してからマッチングできるため、広告代理店を探す段階でかなり絞り込むことができます。
また、依頼企業(広告主)側からは費用が一切かからないのも魅力の1つです。
Ready Crew(レディくる)
Ready Crewは、こちらも依頼企業(広告主)側からは費用が一切かからないサービスです。また、サービス利用数が46000以上、ベンチャーから上場企業まで幅広い利用実績があります。
サービス内容としては、依頼企業の課題や予算感などの希望の条件をヒヤリングした後、条件に合う企業を絞り込み、日程調整まで行ってくれるというものです。
リスティング広告代理店の失敗しない選び方
では、挙げた候補の中から実際に広告代理店を選ぶ際、どの点で判断すれば失敗を避けられるのかについて解説します。
社内ノウハウが共有されているか
ノウハウがどの程度共有されているのかという点については、非常に重要です。
広告運用についてノウハウがしっかり共有されている場合は、その代理店の運用者であれば誰でも一定以上の成果を出すことができる可能性が高いです。
事業・ビジネスの理解があるか
運用担当者が自社の事業への理解が浅い場合、認識のズレの修正などで必要以上にコミュニケーションを取らないといけなくなることがあり、成果が出ないことがあります。
逆に、同じ業界の実績がある場合には、ビジネスモデルを理解している可能性が高く、自社のサービスを説明する手間が省ける他、実績を横展開してくれるというメリットがあります。
担当者が同じ目線で事業成長に向き合ってくれるか
「同じ目線で事業成長に向き合う」というのは、「自社のチームの一員のように運用を行ってくれるか」という意味で非常に重要です。
広告運用者の中には、広告主から言われたことをただ行うだけの運用をする方もいます。
しかし、広告主にとって重要なのは以下の2点でしょう。
- 広告の効果によって収益が上がっているか
- その収益で事業をさらに拡大させることができるか
広告運用者が広告主側の事業を成長させるために、広告主と同じ目線で適切な戦略提案をしてくれるかという点も、見極めるべき重要なポイントです。
担当者のリソースに余裕があるか
運用を依頼する上で、担当者がどの程度の案件を抱えているのか、また運用体制はどのようになっているかは必ず確認しましょう。
優秀な運用者だったとしても、自社に対して割けるリソースが少ない場合には、成果が思ったほど出てこないということもあります。
例えば、既に抱えている案件数で手一杯になっていたり、営業担当がそのまま運用者であるといった場合には注意が必要です。
運用担当者が運用専門のコンサルタントであるかどうかは、必ず確認しましょう。
広告アカウントの取扱い
広告アカウントを共有してもらえるか、解約時にはアカウントを移行してもらえるか、必ず確認しましょう。
広告アカウントは、代理店がクライアント用に新たに開設するケースが多くありますが、代理店がノウハウの流出を懸念してクライアントにアカウントの共有をしないケースがあります。
加えて、代理店によっては解約時のアカウント移行をしてもらえないことがあります。
この場合、広告主側はノウハウを自社に吸収できないだけでなく、解約後に広告アカウントを新たに作り直さなければならず、解約前に培ったデータを利用した広告配信をすることができません。
リスティング広告代理店へ依頼する際は、必ずアカウントの共有、移行が可能かを確認しましょう。
認定代理店か
Google、Yahoo!などの各媒体から認定代理店とされているかも重要なポイントです。
認定代理店へ認定されることによって、各媒体の公式から最新の広告情報を提供してもらえたり、広告出稿前の審査をパスして出稿できるというような特典が利用できたりします。
また、規模が小さくなるほど認定の難易度は上がるので、実力を測るという点でも見るべきポイントになります。
契約期間が長すぎないか
広告運用において、多くの場合で契約期間は6カ月から1年での契約となっています。
この期間が長すぎると、他の代理店へ切り替えたいと思っても解約金の影響で切り替えることが難しくなることがあります。
初めて代理店と契約をするという場合には、もう少し短い期間で契約できるかどうか、解約の際の条件も必ずすり合わせを行いましょう。
まとめ
いかがでしたか?
ここまで、リスティング広告代理店の探し方や見極め方、依頼の際の費用感や依頼すべきかの判断軸について解説してきましたが、最後に本稿の要点をまとめました。
手数料率型 | 広告費用に応じて割合で手数料が変動。この型が最も多い。 |
定額型 | 広告費関係なく、事前に決めた額を指定期間毎に支払う。 |
成果報酬型 | 成果に応じて広告手数料が変動。 |
広告代理店へ広告運用代行を依頼する場合は、多くの場合で運用代行手数料として広告費用の20%が別途で発生します。
また、広告代理店を探す際に見るべきポイントは大手かどうかではなく、自社の広告予算と合った規模の代理店であること。
その後、候補として挙げた代理店からどこを選ぶかについては様々な確認ポイントがありますが、最終的には、今後実際に多く関わることになる運用者(人)の実力や人柄などの相性、チーム体制を見て選ぶことが重要であるというものでした。
この記事が、読者の皆様のお悩みを解決する一助になれていれば幸いです。
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