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ITP2.0が及ぼす広告への影響とGoogle/Facebook広告のトラッキング対策

2018.08.27 2022.02.08

ITP2.0が及ぼす広告への影響とGoogle/Facebook広告のトラッキング対策

ITP(Intelligent Tracking Prevention)2.0とは?

Appleの開発者向けイベント「WWDC 2018」にてウェブブラウザのSafariに実装されるセキュリティ機能を強化すると発表がありました。
その中でユーザーの閲覧履歴を保存するCookieの取り扱いにおける変更が広告やトラッキングに大きな影響を及ぼす可能性があります。

ITP2.0での変更ポイント

Appleの発表ではITP2.0で以下のような変更点がございます。

  • 3rd party Cookieが1.0では24時間保持されていたのに対して、2.0では3rd party Cookieが利用不可となります。
  • ユーザーが承諾した場合のみStorage Access APIを用いて、1st party Cookieの情報は保持されます。ユーザーの承諾はサイト毎に行われ、30日間許諾がない場合はCookie情報やウェブサイトデータは削除されます。
  • どのページを訪問したかというURLからドメイン以外の部分が削除されます。
  • リダイレクトを複数利用するとトラッキングシステムの共謀(Tracker Collusion)によりユーザーを特定することをITP2.0が検知し、データを削除します。

ITP2.0における影響について

前述のようにユーザーのプライバシーに配慮し、大幅にセキュリティ機能が強化されています。結果としてリマーケティングやトラッキングなどに大きな影響を及ぼすと予想されます。特に日本ではiPhoneの保有率が高く、デフォルトのブラウザーがsafariであるため、さらに影響が大きく、主に下記のような影響が考えられます。

  • 広告やアクセス解析のコンバージョン・アトリビューションの計測が困難になります。
  • リマーケティングにおいてはユーザーリストの保持やページ毎の広告出し分けが困難になります。Criteoのようなダイナミックリマーケティングにおいてはどのページを閲覧したかが保持されなくなるため、商品閲覧毎の広告配信やカート落ちユーザーへの広告配信も影響されると考えられます。
  • 3rd party Cookieを利用したDMP/DSPはCookieが保持されなくなることでユーザーの特定ができず、ターゲティングの精度が落ちる可能性があります。

Google広告におけるコンバージョントラッキング対策

方法1:Google アナリティクスを使用

Googleアナリティクスタグが既に挿入されている場合は次の手順でコンバージョンを正確に計測することができます。

1.コンバージョン トラッキング タグから JavaScript コードを手動で削除しないでください。
2.ウェブサイトのコンバージョン アクションを計測する Google 広告アカウントに、有効なGoogle アナリティクス プロパティをリンクします。

方法2:Googleタグマネージャーを使用し、コンバージョンリンカータグを追加

Googleタグマネージャーを既に導入されている場合、下記の手順でコンバージョンを正確に計測することができます。

1.[タグの設定] から [コンバージョンリンカー] を選択します。
2.[トリガー] を[すべてのページ] でタグを配信するトリガーを選択します。

方法3:新管理画面のGoogle広告コンバージョントラッキングタグを使用

このタグはグローバルサイトタグとイベントスニペットで構成されており、サイトドメインに新しいCookieを設定します。このCookieにはウェブサイトへユーザーを誘導した広告クリックに関する情報が保存され、次の手順でコンバージョンを正確に計測することができます。

1.Google広告にて新管理画面からコンバージョントラッキングタグを発行します。
2.グローバル サイトタグを全てのページに設置します。
3.イベントスニペットを特定のページに設置します。

Facebook広告におけるコンバージョントラッキング対策

自動詳細マッチングでコンバージョンアトリビューションを正確に計測

自動詳細マッチングではチェックアウト、アカウントログイン、登録などの処理中に収集されるキャッシュ情報を元に識別子からウェブサイトにアクセスした人とFacebookの利用者を紐づけることでより正確な計測を可能にする方法です。次の手順で自動詳細マッチングは設定できます。

1.イベントマネージャーを開き、[設定]を選択します。
2.[詳細]セクションで[自動詳細マッチング]を選択します。
3.ウェブサイトから送信する特定のデータを選択します。

最後に

ITPの背景には個人の行動・閲覧履歴が広告として利用されており、それに対するユーザーの不快感や気味悪さがあったことが発端の一つと考えられます。テクノロジーの発展に伴い、効率の良い広告手法・技術(アドテクノロジー)も発展をして来ましたが、行き過ぎた方法はモラルの欠けた行為となることがあります。

そのような時代の中で私達はテクノロジーだけでなく、モラルについても考えていく必要があるのかもしれません。

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BCJ管理人

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ブルースクレイ・ジャパン(株)サイトの管理人です。 担当業務は全ファネル領域におけるサイト改善コンサルです。

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