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【セミナーレポート】BtoB広告成功へのルートマップ-第2部

2023.12.25 2024.02.28

【セミナーレポート】BtoB広告成功へのルートマップ-第2部

BtoB Marketing / Sales UPDATE 2023」にて、アナグラム株式会社とブルースクレイ・ジャパン株式会社がセッション形式で登壇したセミナー内容を、レポート形式でお伝えします。

今回は後半の第2部の内容です。まだの方は前半のレポートもぜひご覧ください。

登壇者紹介                      


二平 燎平

アナグラム株式会社 運用型広告事業部マネージャー

BtoB中心に数十社以上の広告運用やコンサルティングを経験。前職での中小企業向けERPのセールスやCS、マーケティングなどTheModelの全工程に従事した経験と運用型広告の知見を合わせた売上を伸ばすBtoBマーケティングコンサルティングに定評があり、アナグラム社では主にBtoB向けの支援や情報発信を担当。


里村 仁士

ブルースクレイ・ジャパン株式会社 代表取締役社長

2010年よりブルースクレイ・ジャパン株式会社のウェブ広告事業の立ち上げに参加。事業責任者として部署を統括。運用メディアの拡大、ナレッジ構築、システム整備、人材採用・教育、セミナー開催などを行い、ウェブ広告業を中心にビジネスキャリアを積む。 2013年、国内で5人目のGoogle広告 トップコントリビューターとしてGoogle社より認定。Google社の公式イベントにも複数登壇。事例発表、パネルディスカッションなどを行う。2022年12月、同社の代表取締役社長に就任。

第2部:リード獲得のためのウェブ広告配信のポイント   

2-1.BtoB向けのおすすめ媒体とおすすめの配信手法や機能

田北:

ありがとうございます。

では、次のセッション「リード獲得のためのウェブ広告配信のポイント」について、お話できればと思います。
こちらのテーマでは、BtoB向けのおすすめ媒体とおすすめの配信手法や機能について、各社からの見解をお伺いできればなと思います。

■BtoB広告のメインは、検索広告 × Meta広告

里村:

検索広告は、検索されるニーズがあるという前提のもとで、リード獲得に有効なメディアとして一つの重要な広告配信です。また、SNSでいえばリード獲得に特化した配信手法があるという点で、Meta広告が代表的ですね。

また、ディスプレイ広告やSNS広告では類似オーディエンスの配信も効果的です。BtoB、特にニッチな商材の場合、ドンピシャなセグメントを見つけるのが難しい場合があります。そのような場合は、顧客リストを基に類似オーディエンスを作成することで、ターゲットユーザーに届けやすくなると思います。

田北:

ありがとうございます。
では、二平さんのご意見もお伺いしてよろしいでしょうか。

■LinkedIn広告、X広告の効果的な活用方法について

二平:

ホワイトペーパーやセミナーといったコンバージョンポイントに特化するなら、LinkedIn広告もいいのかなと思います。実際にコンバージョン獲得できている事例もあります。LinkedIn広告にはMeta広告のようなリード獲得メニューがありますし、ビジネスへの意欲が高いユーザーや、外資系企業の関係者などには特に向いているかもしれません。

あとはX広告も、X上で情報収集するような商材との相性が良いですね。例えば、ウェブマーケター向けの商材ではうまくいくケースがあります。X広告はターゲティングが特殊で、キーワードターゲティングといって、特定のキーワードをつぶやいている、もしくは特定のキーワードをプロフィールに入れている人に向けて広告配信できる機能があります。なのでウェブマーケターであれば、「広告」や「運用」というキーワードでつぶやいている人を狙って広告を出すことができます。

面白い事例がありまして、店舗向けSaasの案件で、店舗系の人のアカウントをターゲティングするため、X上で「開店します」というキーワードで検索した人に対して広告配信をするという設定がうまくハマって、コンバージョンに繋がりました。
「開店します」とXで検索すると、店舗運営している人のアカウントがずらっと出てきます。

X広告は、ユーザーがX上でどういう動きをしているのか、解像度が高ければ高いほど、ターゲティングをより効果的に活用することができます。
ただ、前提としてターゲットとしたい人達が、X上にいるかという点は重要です。例えば、M&A業界で売り手を募集したいというような場合では、そもそもX上にターゲットがいない可能性が高いです。

X広告は他の媒体と比べてCPMやCPCが低い傾向にあるので、ターゲティング設定が上手くいけば低単価で獲得できる可能性があります。ユーザー数も4000万人以上いるので、ハマると効果的な媒体になります。

あとは、YDAもBtoBターゲティングが可能になっていたりしますね。基本的には検索とMeta広告を実施して、それに加えて他の媒体にもチャレンジしてみると面白いかもしれません。

里村:

確かに、X広告については海外の記事で大手広告主が離れているという話もありますが、
それってナショナルクライアントが多かったりして、最近では今後中小企業にも目を向ける動きがあるようなので、穴場的な媒体とも言えそうですね。

実際、今年から検索連動型の配信が可能になったり、コンバージョン最適化のキャンペーンが作成できるようになったりと、徐々に出来ることが拡大していっている印象です。今までX広告にあまり興味がなかったり、試してうまくいかなかった人たちにとっては、今が良いタイミングかもしれません。

■プロダクトや媒体に定期的にチャレンジする重要性

二平:

そうですね。
BtoBに限らずですが、広告運用において一年前にやったからもうやらない、という発想は危険だと思います。Meta広告やGoogle広告などのプロダクトは日々進化しています。一年前に実施した時と比べると、今ではプロダクトの性能が向上している場合が多いんです。

なので、新しい自動化プロダクトには定期的にチャレンジすることが大切だと考えています。一年前にダメだったからやってない、というクライアントに提案・実施してみたら、非常に(コンバージョンが)獲得できる媒体・配信手法になったというケースは多々あります。

クリエイティブが適切だったかという視点もありますし、定期的なチャレンジの重要性は、色々なクライアント様を支援する中で感じる重要なポイントですね。

里村:

公にアップデートが発表されなくても、裏側でサイレントアップデートが定期的に行われていると聞きます。これは日進月歩の部分だと思いますので、トライアンドエラーを継続的に行うことは非常に大事だと私も感じています。

■LinkedIn広告の配信事例とMicrosoft広告の特徴について

里村:

以前、ウェビナー集客でLinkedIn広告を使った経験があります。その時は、Meta広告、X広告、LinkedIn広告の3媒体を使用して集客していました。LinkedIn広告は、CPCが500円~600円ぐらいでかなり高いCPCだったものの、3媒体の中で最もCPAが良かったんです。なので、LinkedInを使ってる人がいないだろうなというような先入観だけで判断せず、ビジネス向けメディアとしてうまく機能するケースもあるんだなと実感しました。

運用者ならわかると思いますが、LinkedIn広告での最低入札単価の推奨入札価格が1100円とかになっていて、嘘だろ⁉と…さすがにそこは調整して運用しました(笑)。
特にBtoBにはよくマッチしていると思うので、トライしてみる価値はあると思います。

二平:

LinkedInはユーザー数が多くないので、CPMなどがすごいことになりがちな媒体で、大丈夫かな…と少し尻込みしてしまいがちですが、意外とマッチしてCVRがあってくるということもありますからね。

里村:

そうですね。
あとは、Microsoft広告がLinkedInと連携して、いわゆるMicrosoft広告のオーディエンスターゲティングのところで活用できる点が、(LinkedInの)データを使いつつ広がりをみせられるというところで期待できますね。
特にBtoBの分野では、Microsoft広告の検索も相性がいいなと感じます。

二平さんはBtoB案件で、Microsoft広告の活用はどうですか?

二平:

必ず実施しますね。面白いなと思ったのが、Microsoft広告経由の受注単価が結構高いケースが多く、何故なのか社内で議論してみました。MicrosoftのEdgeしか使えない会社ってどういう会社なのか考えてみると、セキュリティが厳しく、PCに内蔵しているブラウザしか使えないような会社かなと。そうなると、大企業やレガシーな会社である可能性が高く、結果的に受注単価が高くなる傾向にあるのかなと思いました。ただ、Microsoftはあまり検索数が多い媒体でもないので、(獲得できるコンバージョンの)数としては多くはないですが、一件あたりの売上単価が高いことも考えると、出しておく価値のある媒体だと考えています。

里村:

私もMicrosoft広告の検索で案件に携わった経験があります。物流関連の案件なんですが、Microsoft広告経由の問合せが多かったんです。この時の一つの仮説としては、デジタルリテラシーが少し高くない層が、普段からWindowsに内蔵されているBingをそのまま利用して検索しているのでは、と考えました。BtoBでも、デジタルリテラシーが高い人寄りの商材もあれば低い人寄りの商材もあったりして。媒体によってユーザー特性が変わるという点が非常に興味深かったです。

あとは、LinkedInについては私も時々見ますが、いわゆる自分のなかでのプライベートモードから、情報収集するビジネスモードに切り替わっている感覚があります。その時のユーザーの中でのスイッチが、どちらに働いているかどうかによっても(情報収集への)前のめり度も違ってくるのかなと思います。

日本でLinkedInがもっと普及すれば、BtoB分野での位置付けやリーチの可能性も広がるのではないかと思います。

2-2.視聴者様からの質問回答

■視聴者質問:X広告で成果を出すための秘訣とは?

田北:

ここで視聴者の方からの質問をお伺いしてもよろしいでしょうか?

先ほど、二平さんからX広告の事例をお伺いしたと思います。私も気になったのが、「開店します」というキーワードがコンバージョンに繋がったというお話を聞いて、検索広告のキーワードの考え方とX広告のキーワードの考え方は、大きく異なるのかなと思いました。なのでそのキーワードを設定するに至った流れや、考え方についてお伺いしたいのと、それに加えて、視聴者の方から
「X広告をBtoBで使えるポイントや裏技を具体的に教えてください。」
という質問をいただいておりますので、裏技的なものがあればそちらもお答え頂ければと思います…!(笑)

二平:

すごくシンプルに言うと、「顧客解像度はどれだけ上げられるか」ということになります。

まずは、ターゲットとして狙っている人々がTwitter上にいるかどうかが、重要なポイントです。先ほど話したように、M&Aの売り手を集めるような商材はX上にいないかもしれませんが、ウェブマーケターや店舗経営者、人事担当者など、X上に生息していると思われる人たちに向けた商材だとターゲティングしやすいです。

私が店舗向けの案件をやっていた時は、X上で店長などがどういう行動をしているかを徹底的に調べました。そうしたら「開店します」とつぶやいているアカウントが多いことに気づきました。このようにターゲットのXアカウントを5~10個程度見て、どんな行動をしているかを把握することが大切で、そうすると、こういう投稿が多いなというような傾向も見えてきます。

ターゲットが何をつぶやいているか、何をフォローしているかを知ることで、BtoBでもBtoCでもターゲティングの精度を上げることができます。

なので裏技というより当たり前なことになってしまい恐縮ですが…。

田北:

愚直にXを見に行く、ということですね!(笑)

二平:

そうですね、ツイ廃な人が活躍します(笑)

里村:

SNSでもデバイスがPCなのかスマホなのかによって、先ほどのようにユーザーのモードやシチュエーションが変わってきそうですよね。例えば、予算が少なくて限定的に配信をしたいという場合は、最初はデバイスをPCのみに絞ってみるというようなチューニング方法も1つあるかなと思います。

■視聴者質問:BtoBでの認知度広告の必要姓について

田北:

ありがとうございます。続いての質問です。
認知度広告はBtoBで重要でしょうか?計画内容次第かなと思うのですが、認知度にかけられる費用が月額50万円程度です。それでBtoB向けで認知度のためにお金をかける意味が最近わからなくなっています。結果を定量的に測ることが難しいのでなおさらですが…。そのあたりのご意見を伺いたいです。」とのことです。

始めに二平さんにお伺いしてもいいですか?

二平:

状況に寄りますが、まずは(リードの)獲得に十分に費用をかけられてるのかを改めて見直したいところですね。かけられていなければ、現段階では実施する必要はないのかなと思います。

基本的にBtoBは課題から始まるので、その課題を感じたタイミングでしっかりとアプローチできるところに、まずは予算を優先的に使って、どこかのタイミングで認知施策に取り組むということになると思います。ただ、ラクスルさんのように、最初からテレビCMをドンとやってしまうという戦い方もあるので、会社の戦い方・状況に寄るかなとは思います。

里村:

認知というものをどのように捉えるかということにもよりますが、

確かに月に50万円の予算で、「○○業界なら自社」というように、特定の業界での強い立ち位置を取るのは難しい部分があると感じます。それよりは、顕在層の手前の準顕在層を取りに行くことに重点を置く方が良いかもしれません。

あとは広告に限らず、様々なマーケティング手法を広げていくことも大切です。
去年、別の法人を立ち上げた際に、行政書士さんを検討していました。その時、自分に一番効果があったのが電子書籍でした。Kindle Unlimitedで0円で読めるものを読んで、そこでナーチャリングされて、申込みを行いました。電子書籍もホワイトペーパーの役割も果たしていて、充実したPDFのホワイトペーパーなら、電子書籍化もそれほど難しくありません。アマゾンや楽天で0円で出版することができます。

そういう手法もあるので、認知の取り方としては、ユーザーが調べたいと思う時、選びたいと思う時に、適切な選択肢になっているかが重要です。そのための様々なタッチポイントを作ることが大切です。広告に限定されず、その企業やリソースにあったやり方を展開することが重要だと思います。

田北:

ありがとうございます!

まとめ                         

第2部の重点は、各媒体の特性を理解し、ターゲット層や商材に適切に対応する広告配信手法の選択にありました。ターゲットのニーズと行動を深く理解し、それに基づいた戦略的な広告配信を行うことが、効率的なリード獲得に繋がります。

ブルースクレイジャパンは、今回のセミナーの他にも、デジタルマーケティングに関する無料セミナーを定期的に開催・登壇しております。ぜひご参加ください。

 

BCJ管理人

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ブルースクレイ・ジャパン(株)サイトの管理人です。 担当業務は全ファネル領域におけるサイト改善コンサルです。

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