2022.09.08 2022.09.08
目次
TikTokが注目される背景
日経トレンディが選ぶ「2021年ヒット商品ベスト30」で「TikTok売れ」が第一位となり話題になりました。2021年はTikTokが最強の動画コマースサービスへと進化を遂げ、グミから高級車まで、あらゆるモノが売れた年と言えます。
TikTok売れがなぜ起きるのか?
それは従来にない発見という「次に好きになるもの」との出会いがプラットフォームに存在する設計であることが理由と言えます。
従来のメディアはユーザー自身が知りたい情報を選択して、情報を集める設計ですが、TikTokは新しい情報に触れる機会が意図的に組み込まれており、ユーザーに新しい体験を与えます。
またTikTokは従来の動画プラットフォームと異なり、ショートムービーに特化したことで、手軽に動画が見れるということも人気を集めた一つではないでしょうか。
またInstagramでも発見タブといったユーザーに新しい発見を促す仕組みを取り入れています。その背景には情報過多の時代において、ユーザー自らが新しいことを能動的に探しにいくということ自体が手間で難しくなったからと私は考えています。
つまりTikTokはショートムービーという形で、まだ知らない世界を体験させ、新しい出会いとなる機会を創ったと考えられます。加えて、若年層で利用されていたTiktokは徐々に幅広いユーザーに利用されるようになりました。
ユーザーの年齢層は年々上昇傾向で、2021年では平均34歳まで上がっており、一般の消費活動に影響する世代までユーザーを取り込んだことで影響力を強めたと考えられます。
そんな話題のTikTokを集客に活用したいと考えるマーケッターの方は多いのではないでしょうか?
そこで今回はTikTokを活用した広告配信に関して、解説したいと思います。
TikTokの現状
TikTokはグローバルでは30 億以上ダウンロード突破を達成しており、世界でも注目のアプリへと成長しました。
※グローバルダウンロードランキング1位(2020年、2021年1月-7月)
平均視聴時間は67分と長くなり、米国・英国ではTikTokの月間平均視聴時間がYouTubeの時間を上回ったこともニュースで話題となりました。
アプリやメディアにとって、この視聴時間というのはとても重要な指標です。
アプリマーケティングは可処分時間と言われる個人が自由に使える時間をどれだけ、そのアプリに費やしているかで事業の収益が変わります。
例えば、広告による収益モデルであれば、人が多く滞在することで広告に触れる機会も多くなり収益が多くなります。ECアプリなら利用時間が増えれば、それだけ購入に繋がる機会も多くなります。
このように時間の奪い合いであることを前提に考えるとYoutubeの視聴を超えるというのは非常に影響力の高いことを示しています。加えてアプリの指標で重要とされるのがMAU(Monthly Active Users)と言われる月に一回利用するユーザーの数です。
TikTokのMAUは急増しており、日本では2000万人を超えました。この数字はInstagramが4000万人程と言われていますので、主要なSNS(Facebook,Instagaram,Twitter,LINEなど)に引けを取らない数字と言えます。
TikTokのコンセプト
TikTokのコンセプトはクリエイティブで、真に楽しくポジティブな体験を提供することで、人々の生活を豊かにすることを目指した、モバイル向けショートムービープラットフォームです。
進化し続けるコンテンツの多様化
以前までのTikTokは踊りやリップシング(口パク)が主なコンテンツとなっていましたが、徐々に多様化が進み、お笑いやエンタメ要素の高い動画など芸能人も多く投稿するようになりました。さらにレシピ動画などのHow to動画や飲食・ホテルなどレビュー動画まで様々な動画が投稿されるようになりました。
コンテンツがどのように多様化したかについて、以前のTikTokプロモーション活用で記載したTikTokのトレンドにも記載しておりますので、併せて参考にしていただければと思います。
モバイル視聴において1位に迫る視聴時間
前述で米国・英国でYouTubeの時間を上回ったことをお伝えしていますが、日本国内でもTiktokはモバイル視聴において1位に迫る視聴時間です。つまり国内での影響力も強まっていると言えます。
Tiktokをプロモーションに活用する理由
ここまでのお話でTikTokがいかに影響力の高いプラットフォームであるかをご説明させていただきました。
それではTikTokを集客に活用した方が良い理由は、この影響度だけなのでしょうか?
Web動画というカテゴリで言えば、影響度が最も大きいのは、Youtubeが断トツと言えます。Youtubeの日本のMAUは6500万人と言われており、約2人1人にリーチできる影響力があります。
影響度だけで考えると、Youtubeのプロモーションを実施した方が良いと考えるのではないでしょうか?
それではなぜTikTokを集客に活用すべきなのか?その理由は、以前Facebook広告が流行り始めた頃にとても似ている状況だからです。
Google広告がデジタル広告の主流となった頃の話です。
検索広告は顕在化したユーザーつまり、ユーザー自らが検索をして、情報を求めているユーザーとなるため、CVが獲得しやすいとされており、その当時は検索広告の出稿が急激に増加し、CPCが2000円以上というkwも少なくない状況となりました。
その結果、CPAが高騰しました。そこで目を付けたのがSNSです。当時はFacebook広告も新興アプリの一つで広告の出稿量も少なく、CPM(CPC)も非常に安い媒体でした。そのため、広告から誘導を多くすることで、CPAも安く抑えられるとされ、アフィリエイト中心に多くの広告が出稿されるようになりました。
この状況とTikTokの今の状況はとても似ています。多くの企業はTikTokの影響力を理解し始めているが、何をどうしたら成功するのかが明確になっておらず、事例も少ないため、参入を躊躇している現状です。
それでは具体的にどのくらい出稿量が少ないのかについてですが、TikTokの平均CPCは約43円です。ターゲティングやクリエイティブによって変わりますが、他の主要SNSは既におおよそ平均CPC200-300円程となっていますので、比較的安いことが分かります。
まだ事例が少ないというリスクは確かにありますが、そこにチャンスもあるのだと私は考えます。
TikTok For Businessとは
世界各地の広告主向けに最先端のマーケティングソリューションを提供する運用型広告配信プラットフォームです。
大量のトラフィックやデータ、及び上質なコンテンツを集約し、それを最大限活用することで効率的にユーザーへリーチすることを実現します。
・Tiktok
・Pangle
・BuzzVideo
TikTok For Businessの広告種類
2022年7月時点のメニューは予約型、運用型、オリジナルメニューがございます。
■リザベーション広告(予約型)
- TopView
アプリ起動時に表示される広告です。起動時に表示されるため見逃しを防ぎ、最大のインパクトがあります。 - Top Feed
「おすすめ」フィードの4番目に表示されるインフィード広告です。 - Reach&Freaquency
おすすめフィードのあらゆるタイミングで表示されます。
事前にリーチとFQを設定し、シミュレーション可能なインフィード広告です。
■運用型メニュー(オークション)
- Auction Ad
「Reach&Frequency」と同じく、おすすめフィードに配信される動画広告ですが、運用型広告となります。
目的が認知の場合は「Brand Auction」、獲得(コンバージョン)の場合は「Performance Auction」の2種類のプランに分かれます。
■オリジナルメニュー
- #Challenge
TikTok内最大露出があり、質の高いユーザー投稿がTikTokに拡散されます。
また高度な画像認識技術を用いて、様々なクリエイティブコンテンツ作成が可能です。 - Branded Effect
高度な画像認識技術を用いて、様々なクリエイティブコンテンツ作成が可能です。
TikTok広告のフォーマット
各媒体によって配信できるフォーマットの種類に違いがあるため、TikTok For Businessで広告を配信する場合、どの媒体の改善を図るかによってクリエイティブのフォーマットを合わせて改善することが重要です。
例えば、9:16の縦型はTiktok広告の改善に影響力が大きいですが、BuzzVideoは縦型よりもスクエアや横長も多いため、改善の影響度合いが変わります。
Tiktokはユーザー投稿動画が9:16(縦型)で配信されているため、動画サイズは縦型と相性が良いです。
Buzzvideoは配信面のコンテンツがほとんどが静止画であり、1200×628(16:9横型)のため、動画だけでなく、静止画も用意することが重要です。
TikTok広告の設定方法
アカウント構造
TikTok For Businessのアカウント構造は「キャンペーン」「広告セット」「広告」の3階層に分かれています。
キャンペーンは目的選択、スプリットテスト、予算設定を主に設定します。
広告セットはターゲティングなどの運用上の調整設定をします。
広告はクリエイティブ入稿です。
キャンペーン設計
(1)目的
「ブランド認知」「購買意欲」「コンバージョン」の中から、適切な目的を選択でき、こちらの目的によって自動最適化が変わります。
例えば、「リーチ」とした場合、リーチが最も広くなるように自動最適化がかかります。
Web案件:「トラフィック」or「コンバージョン数」
App案件:「アプリインストール」
が推奨です。
それぞれの目的が「コンバージョン数」「アプリインストール数」の場合には「アセット」にて、「イベント管理」「オーディエンス」の設定が必要です。
(2)スプリットテスト
スプリットテストに関して基本的にはキャンペーンでの設定なしで対応し、
クリエイティブは別途組み合わせにて入稿対応します。
(3)キャンペーン予算最適化
キャンペーン予算の最適化(CBO)は、広告セット単位ではなくキャンペーン単位での予算の最適化を可能にする機能です。
キャンペーンに属するすべての広告セットに適用されます。
キャンペーン予算最適化をオンにすると「キャンペーン予算」の設定が必要です。
(4)キャンペーン予算
初期設計無制限の状態だと配信超過の恐れがあるため、設定をオンに変更して、
プルタブにて「日予算」と「全体予算」から管理方法を選択して設定します。
広告セット設計
広告セットはキャンペーンよりも管理がしやすい、詳細粒度で管理をします。
(1)プレースメントの設定
「Tiktok」「キュレーション(Buzzvideo)」「Pangle」などの媒体を選択できます。
また広告セット内のAD数を少数に抑え、ADを増やすときには、「プレースメント」「クリエイティブ訴求軸」で分類して広告セットを整理するのが推奨です。
(2)ターゲティング設定
ターゲティング設定は絞り過ぎないよう注意して設定します。
- ユーザーリスト
アセットのオーディエンスで作成したリストを設定できます。
オーディエンスは「カスタムオーディエンス」「類似オーディエンス」の2種類です。
1.カスタムオーディエンス
ウェブサイトの閲覧者などのような特定の行動したユーザーや保有する顧客リストに対してマッチしたユーザーに配信する場合はカスタムオーディエンスで設定します。
2.類似オーディエンス
ユーザー群の中で特定の行動で類似しているユーザーに対して配信をします。
- デモグラフィックの設定
性別・年齢による
※デモグラフィックは属性データの登録がないため推定データです。
- 興味関心
ユーザー行動データをもとにした興味関心セグメント
- デバイス・キャリア
OS設定、通信環境・キャリアの設定が可能です。
(3)予算とスケジュール設定
予算はキャンペーン同様に日予算を広告セットでも設定可能です。
スケジュールは開始時間と終了時間を設定できます。
(4)入札と最適化
最適化の目標と入札タイプはプロモーションの目的によって、内容が変化します。
(例)プロモーション目的:ウェブサイトの場合
最適化の目標は「クリック」で入札タイプは「最小コスト」「入札の上限」となります。また課金内容もCPCとCPMで変わります。
フリークエンシー上限は目的がリーチの場合は設定可能です。
広告設計
縦型動画×UGC風素材での配信を推奨しております。
Tiktokは広告感の強いクリエイティブより、ユーザーの投稿に近い素材を利用することでユーザーに好まれます。
TikTok Creator MarketplaceではTikTokクリエイターとのマッチングを行い、クオリティーの高いコンテンツの制作を可能としており、媒体より無償で提供されております。
TikTokクリエイティブ改善の考え方
クリエイティブ改善は新しいクリエイティブを定期的に更新するのが良いです。その理由は、同じコンテンツはSNS同様にエンゲージメントを高めることができず、品質が下がるためです。
例えば、最初に見たときには「いいね」やシェアをしたり、何度も視聴するといったユーザーは多いと推測できます。
それでは2回目に同じコンテンツが出てきた際にまた同じように「いいね」をしますか?
前回の視聴によって興味を持ち、さらに詳しくみたいという特定のユーザーであれば良い結果となりますが、大半のユーザーは2回目以降から徐々に興味が薄れるのではないでしょうか。
そこでTikTok For Businessでは広告改善の公式がございます。
広告配信はeCPMによる競争が行われインプレッションを獲得します。
eCPMを上昇させるにはpCTRを上げるか、pCVRを上げるか、もしくは許容するCPAを上げるのかによって決まります。
許容するCPAを上げるということは入札単価を高くすることで、競合よりも表示されやすくする方法ですが、CPAが高まります。
そのためクリエイティブを改善するにはpCTR、pCVRを改善することが重要であることが言えます。
TikTok For Businessのサポート・ヘルプガイド情報
・TikTok For Business
https://tiktok-for-business.co.jp/
・TikTok Creator Marketplace(TCM)
https://creatormarketplace.tiktok.com/
・TikTok Creative Center
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