2023.07.13 2023.07.12
目次
ショッピング広告とは
ショッピング広告とは、小売店・ECサイト向けの広告で、商品画像や価格など商品の詳細な情報を広告に掲載できる広告です。ユーザーは商品情報を把握したうえでクリックするので、購入意欲の高いユーザーが流入する可能性が高くなり、通販をしている会社では成果が出やすい広告となっています。
ショッピング広告の仕組み
検索広告とは異なり、キーワードの設定の必要はありません。ユーザーの検索語句と商品の情報が関連しているとGoogleが判断した場合にオークションの機会が与えられます。商品情報の一覧は、Google Merchant Centerにアップロードしておき、ユーザーが検索するとGoogle広告が検索語句を解析し、マッチする商品データをGoogle Merchant Centerで照合します。マッチした商品が見つかったらオークションを行い、登録されている商品情報をもとにショッピング広告を表示します。
ショッピング広告のメリット
検索広告よりも上位表示
ショッピング広告は、Google検索の最上部か最下部に表示されます。実際はオーガニック検索結果や、検索広告よりも上の位置に表示される場合がほとんどです。そのためユーザーの目に付きやすく、クリック率が高い傾向にあります。また、スマートフォンではファーストビューでの画面占有率が非常に高くなるため、PC以上に視認性が高まります。
商品画像など具体的な商品情報からのサイト誘導
商品画像が表示されることでユーザーの目を引くことができます。また値段、サイズ、色などの商品情報も広告に掲載されるため、購入意欲の高いユーザーをサイトに誘導することができます。
クリック単価の低さ
掲載枠が他の広告よりも多いためクリック単価が低くなる傾向があります。以下は弊社の配信事例で、BtoB向けのECサイトの各種キャンペーン別実績です。CPCがディスプレイと比べて約70%低く、検索広告と比べると約58%低いです。
キャンペーン | 表示回数 | クリック数 | クリック率 | CPC | 費用 | CV | CVR | CPA |
ディスプレイ |
748,358 |
1,372 |
0.18% |
¥67 |
¥92,386 |
11 |
0.80% |
¥8,468 |
検索広告 |
30,281 |
3,009 |
9.94% |
¥48 |
¥143,458 |
51 |
1.71% |
¥2,786 |
ショッピング広告 |
693,700 |
7,812 |
1.13% |
¥20 |
¥152,863 |
40 |
0.51% |
¥3,861 |
購入意欲の高いユーザーを安価なクリック単価で獲得できるため広告費用対効果が高い傾向があります。
ショッピング広告のデメリット
フィードの作成と更新の手間
ショッピング広告を出稿するには、まず商品フィードと呼ばれる商品のデータ一覧のファイルを作成しなければいけません。また在庫状況など随時更新が必要な項目もあり、工数がかかります。実際の情報と、フィード内の情報が一致しない場合、広告審査に落ちてしまって、広告出稿できなくなる可能性もあるため、注意が必要です。
キーワード毎の入札調整ができない
検索広告のようにキーワード単位での細かい入札調整ができません。フィードにある情報をもとに、Googleが自動で検索結果に表示させるため、フィードの内容をしっかりと整理しましょう。また、表示させたくないキーワードがあれば除外キーワードに設定しましょう。
ショッピング広告で禁止されているコンテンツ・行為
以下のコンテンツはショッピング広告に掲載できない、または制限付きでの掲載となります。詳しくはGoogleの公式をご確認ください。
参考:ショッピング広告のポリシー|Google Merchant Center ヘルプ
禁止されているコンテンツ
- 偽造品
- 危険度の高い商品:違法薬物、武器(製造方法を含む)、爆薬、など
- 不正行為を助長する商品:ハッキングの方法、偽造文書、学業不正行為商品など
- 攻撃的、不適切なコンテンツ:人種差別、暴力、犯罪現場など
- ショッピング広告の掲載対象外なもの:チケット、乗り物、金融商品など
禁止されている行為
- 広告ネットワークの不正利用:ユーザーに有益でない情報の配信、不当な順位操作
- 不当なデータ収集とデータ利用:取得目的の不開示、安全性が確保されていない SSLサーバー接続を介した個人情報の取得
- 不事実表示:虚偽・誇張した宣伝
制限付きコンテンツ
- 成人向けコンテンツ
- アルコール飲料
- 著作権で保護されたコンテンツ
- ギャンブル関連コンテンツ
- ヘルスケア関連コンテンツ
- 政治関連コンテンツ
- 商標
- 高脂肪、高塩分、高糖分の食品および飲料
ショッピング広告の入稿方法
ショッピング広告を出稿するにはGoogle広告アカウント、Google Merchant Centerのアカウント、商品フィードを用意する必要があります。Google Merchant CenterにサイトのURLや送料などのビジネス情報を登録し、商品フィードを送信します。フィードの情報とサイトの情報に差異がないか審査が行われ、問題がなければ 、ショッピン広告の配信設定ができるようになります。
Google Merchant Centerの設定方法
-
-
-
- Google Merchant Centerにアクセスします。
- 入力項目を記入し、アカウントを登録します。
- 商品を追加します。商品が少ない場合はGoogleMerchantCenterに直接情報を入力し、多い場合はフィードを登録します。今回はフィードで登録することを想定して説明していきます。
- 「複数の商品を一括で追加する」を選択し項目を入力していくとフィードのテンプレートがダウンロードできます。
- 商品フィードの属性を入力します。入力必須の属性があるので以下表を確認してください。
属性 概要 どの状況で必須か id(ID) 商品ごとに一意の値 全て必須 title(商品名) 表示させる商品の名前 全て必須 description(商品説明) 商品詳細で表示する商品説明文 全て必須 link(商品リンク) ランディングページのURL 全て必須 image_link(商品画像リンク) 商品のメイン画像のURL 全て必須 availability(在庫状況) 在庫有無、入荷待ち、予約 全て必須 availability_date(入荷予定日) 1年以内に日付で入荷予定日を登録 在庫状況がpreorderに設定されている場合は必須 price(価格) 商品の価格 全て必須 brand(ブランド) 商品のブランド名 映画、書籍、レコーディングブランドを除く全てのブランドで必須 gtin(GTIN) 商品の国際取引番号 ある場合必須 mpn(MPN) 商品の製造番号 GTINがない場合必須 condition(状態) 発売時の商品の状態 商品が中古または再生品の場合必須 adult(大人) 成人向けコンテンツ 成人向け商品の場合は必須 multipack(マルチパック) 同一の商品をまとめ売りする際の個数 まとめ売り商品の場合必須 is_bundle(一括販売商品) 異なる商品をセットにする際 商品が一括販売の場合は必須 age_group(年齢層) 商品が対象としている年齢層 ファッション商品、年齢が指定されている商品 color(色) 商品の色 ファッション商品、色違いがある商品 gender(性別) 商品が対象としている性別 ファッション商品、性別が指定されている商品 material(素材) 商品の生地または素材 商品を区別する上で重要な場合は必須 pattern(柄) 商品の柄や模様 商品を区別する上で重要な場合は必須 size(商品のサイズ) 商品のサイズ アパレル用品、サイズに違いがあるも物は必須 item_group_id(商品グループ ID) バリュエーションがある商品グループのID バリエーションのある商品の場合は必須 shipping(送料) 商品の送料、配送所要日数、発送地域 全て必須 また、他にも属性があるのでGoogleのヘルプを参照してみてください。
キャンペーンの作成方法
広告の出稿準備は以下の手順です。
- Google広告管理画面を開きます。
- 「ツールと設定」から「リンクアカウント」を選択します。
- 「Google Merchant Center」を選択します。
- 広告アカウントと紐づけるGoogle Merchant Centerのアカウントを選択して紐づけを行います。
- 「キャンペーン」の「新しいキャンペーンの作成」を選択します。
- 「キャンペーン目標を選択」から「販売促進」を選択します。
- キャンペーンタイプ「ショッピング」を選択しキャンペーンと紐づけるGoogle Merchant Centerアカウント(先ほど登録したアカウント)を選択します。
ショッピング広告とP-MAXキャンペーンの違い
P-MAXキャンペーンとは
P-MAXキャンペーンとは、ひとつのキャンペーンで、全ての広告枠に配信できる広告です。複数アセットを登録することで、自動で組み合わせて配信されます。また、他の広告と違い、機械学習が広告の作成から運用まで自動で行い、細かい調整が不要です。1つのキャンペーンで幅広い広告枠に掲載できることから、少ない工数でコンバージョンの増加などが見込めます。
ショッピング広告とP-MAX広告どちらを使うべきか
通常のショッピングキャンペーン P-MAXキャンペーン 掲載面 以下のショッピング広告枠
・Google検索結果
・Google画像タブ
・Google検索のショッピングタブ
・Google検索の外部パートナーサイトショッピング広告枠以外も含めた、Google広告すべての掲載面 ターゲティング 商品データによるターゲティング キャンペーンの目標に合わせて自動設定 入札 手動・自動 自動 除外キーワード設定 ○ 〇←2023年より利用可能に オーディエンス設定 ○ × 商品のグループ化 ○ × 向いている企業 ・手動入札や商品グループ作成など、細かな運用を行いたい
・広告予算が少ない
・広告運用を行う時間・人員が確保できる・単発ではなく、長期的に広告配信を行う
・広告予算・CV量が多く、学習量が担保できる・広告運用を行う時間、人員が確保できない
状況に合わせてどちらを使うべきか選びましょう。
ショッピング広告の運用のポイント
コンバージョン値とROASを意識して運用する
ショッピング広告で成果を出すうえでROASは重要な指標です。利益を最大化させるためにもROASを意識した運用を心がけましょう。自動入札戦略はコンバージョン値の最大化戦略で、目標広告費用対効果(tROAS)を設定する事によって、設定したtROASを目指しながら売上の最大化も目指せます。他にも売上額を重視する戦略もあるので商材や目的にあわせて柔軟に使い分けましょう。
商品情報の詳細な記載
フィードに商品の詳細な情報を登録しておきましょう。ショッピング広告はフィードの情報とユーザーの検索語句の関連性をGoogleが判断し表示されます。そのためより多くの詳細情報を登録することによって、幅広いユーザーにアプローチできるとともに、商品の型番などの詳細なキーワードを入力して検索している購入意欲の高いユーザーにアプローチできます。
商品名、画像、概要で魅力を伝える
類似商品の一覧からユーザーにクリックされるには、目を引く商品名、画像、商品概要である必要があります。また、すでに配信中のショッピング広告もこれらを改善することによって、クリック率のみならず購入数や売上増加にもつながります。以下は弊社の運用にて商品名を変更した改善事例です。
期間 検索語句数 CVにつながった検索語句数 購入CV 売上 表示回数 クリック数 クリック率 CPC 変化前 5,111
147
102.69
¥1,889,067
762,184
14,701
1.93%
¥13
変更後 11,857
197
174.32
¥4,293,088
2,744,089
47,331
1.72%
¥12
変化率 232%
134%
170%
227%
360%
322%
89%
92%
購入数がおよそ1.7倍、売上が2.2倍まで伸びています。ほぼ同水準のCPCで広告表示された検索語句の数が2.3倍に増加し、表示回数とクリック数は3倍以上に増えています。「商品名」を変更しただけで、見込み顧客へのリーチを2~3倍に拡大できる可能性があります。以下もご参照ください。
フィード内容を定期的に更新
フィードの情報を最新にするために定期的に確認、更新をしましょう。30日間更新されていないフィードを利用した場合その商品の広告は不承認となるため、最低30日に一回はフィードを更新する必要があります。また、価格、在庫状況などフィードの内容がランディングページの情報と異なる商品も広告掲載ができなくなるので、合わせて確認しましょう。
有料広告と無料リスティングの組み合わせ
無料リスティングとはショッピングタブ、Youtube、自然検索、画像検索内に商品画像やタイトルといった商品の情報を無料で掲載できるサービスです。
ショッピングタブでの無料リスティングの掲載場所
無料リスティングはGoogle Merchant Centerで、登録してあるフィードの設定から無料リスティングを有効にすることによって自動で生成されます。
Google Merchant Center上のカスタムレポートから表示回数、クリック数、クリック率の指標が確認できます。
また、Google Analytics 4と連携させることでコンバージョンの計測も可能です。無料リスティングの詳細な設定は公式ヘルプを確認してください。
Googleによるとショッピング広告と無料リスティングを併用したことによってクリック数が50%以上、インプレッションが100%以上増加したケースがあります。どちらかではなく、組み合わせて使う事が重要です。
除外キーワードの設定
キーワードの除外設定は可能なので購入率の低いキーワードは除外キーワードに登録して広告効果を高めましょう。
まとめ
通販市場は年々右肩上がりで増加しており、2026年にはEC市場の規模は29.4兆円にも上ると言われています。通信販売ができそうな商材をこれから考えている方はショッピング広告をスムーズに導入できるようにしっかりと準備をしましょう。
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BCJ管理人
ブルースクレイ・ジャパン(株)サイトの管理人です。 担当業務は全ファネル領域におけるサイト改善コンサルです。
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