2026.09.30 2026.09.30
どれだけSEO対策を強化して自然検索からのアクセス(セッション数)を増やしても、ユーザーが着地したページで「欲しい商品の在庫がない」「リンク先が販売終了品で購入できない」状態になっていては、すべての集客努力が水の泡となってしまいます。
多品種・多品番を扱うECサイトほど、「アクセスはあるのに売上が伸びない」という壁に直面しがちです。 当社が支援する中では、「商品在庫の不足」「コンバージョン導線」が原因となっているケースが少なくありません。
本記事では、アパレルメーカー様のECサイトにおいて、ブルースクレイ・ジャパンがどのように売上低迷のボトルネックを特定し、劇的な売上増加を実現したのか、具体的なプロセスと成果データをご紹介します。
「アクセスはあるのに売上が伸びない」2つの機会損失を特定

課題①:上位獲得の人気商品ページで「在庫切れ」が常態化
年間を通して高い検索順位を維持し、安定したアクセスを集めている定番・高機能商品ページにおいて、サイズやカラーの在庫切れ(品切れ)が長期化していました。
実際、売上の主力商品では、前年は1ヶ月でセッション数530件に対して購入率8.11%を誇っていたものの、翌年は一定期間、全カラー・全サイズの在庫切れが発生したことで、1ヶ月でセッション数が1,389件へ増加したにもかかわらず購入率が1.58%へと急落。流入は約2.6倍なのに購入数は約半分になっている深刻な機会損失が生じていました。

課題②:過去の優良特集・コラム内に「販売終了品・在庫薄の旧型番」が残ったままに
過去に作成され、検索上位を獲得している優良な特集ページや解説コラムにおいて、紹介されている主力商品の型番が更新されないまま残っており、上部に掲載されているアイテムの在庫が薄いため、ユーザーがアクセスしても購入に至らないケースが発生していました。
商品リンク切れによる機会損失が発生していたケースのSEO対策は、以下の記事でも解説しています。

当社が実践した「各データを横断して特定したボトルネック」とCROアプローチ
流入が増えている一方で売上が伸び悩む状況だったため、当社は在庫データの分析に目を向けました。
Google Analytics 4やGoogle Search Consoleだけでなく、ECシステムツールの売上・アクセスデータや、ヒートマップツールなど各データを横断してボトルネックを特定し、売上減少要因を特定・改善します。
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アクセス数×ページの購入率・掲載商品在庫の照合分析
「アクセス数が伸びているのに売上が落ちているアイテムカテゴリや特集ページ」を抽出し、そのページで紹介されている商品の「在庫状況」や「リンク先(購入可能な状態になっているか)」を調査しました。
また、各商品ページごとに訪問数、CVR、注文件数、注文金額をリストアップし、前年と比較してCVRが低下した商品の特定と、その在庫状況の確認を行いました。
その結果、「アクセス数の伸びに対して購入率が異常に低い原因は、上位掲載商品の在庫不足やリンク切れにある」といったボトルネックにたどり着くことができました。
ボトルネックに対するCRO改善施策の実行
特定したボトルネックデータをもとに、「在庫が潤沢な現行・最新アイテムをページ内に追加・上部へ配置変更する」「入荷待ち通知機能を導入しメール文面を最適化する」などの、SEOとCROを一体化させた改善施策を迅速に提案・実行しました。
在庫管理・CRO改善で売上最大化を達成した2つの成功事例
ここからは、具体的な事例をご紹介します。
事例①:特集ページに、在庫がある最新商品を追加・上部配置し、売上約7.1倍を達成

年間を通して高いアクセスを集めている主力商品の解説特集ページにおいて、上部に掲載されている旧型番アイテムの在庫が薄く、ユーザーの購買機会を逃していました。
- 具体的な施策:
- 特集ページ内に、現在在庫が十分に確保されているリニューアル済みの「最新・現行モデル」の商品カードおよび購入ボタンを追加
- ヒートマップのスクロールデータ(ユーザーの注視・到達度)を分析し、より読者の視線が集まるページ上部に「在庫ありの最新商品」を優先配置する掲載順の変更を実施
- 定量成果:
アクセス数自体には大きな変動がない中で、売上は増加。当特集ページ経由の、施策実装後の月の売上は、前年同月対比で約7.1倍の売上大幅増加を達成しました。さらに、その売上のうち過半数を「新しく追加・上部配置した在庫ありの最新商品」単体が占めるという、狙い通りの成果を出しました。
事例②:在庫切れページへの「入荷お知らせメール機能」導入と、メールから商品ページへ直接遷移できる仕様に変更

商品詳細ページで在庫切れ(品切れ)が発生した際、そのまま離脱されてしまう問題に対し、ECシステムの「入荷お知らせメール機能」を活用した離脱防止・リカバリー施策を導入しました。
- 具体的な施策:
- 在庫切れが表示される商品詳細ページに「入荷お知らせメール登録」ボタンを設置
- 自動送信される入荷通知メールの本文に商品URLが入っておらず、通知を受けても直接購入に移れない仕様だったため、メール本文から該当商品詳細ページへ直接アクセスできるように修正
- 定量成果: 機能導入後、4ヶ月間で入荷待ちリクエスト件数が約2.3倍へと急増(導入1ヶ月目時点と4ヶ月目時点対比)。 「どの商品にどれだけの潜在需要(購入意向)があるか」が可視化され、入荷時のメール案内から購入へと繋げる導線が確立されました。
筆者がECサイトのSEO・CROで意識している3つのポイント
実際の取り組みを通して得られた、集客を無駄にせず売上を最大化するための鉄則として以下の3点を意識しています。
① 自然検索の主要ランディングページと「実際の在庫状況」の定期照合
SEOで上位表示されているコラムや特集ページは、サイトにとって最大の集客口です。しかし、そこで紹介されている商品が「在庫切れ」になっていては集客価値は大きく下がります。主要LPの掲載商品と実際の在庫状況を定期的に照合する管理運用が欠かせません。
② 在庫切れページでの「入荷通知登録」による潜在顧客の捕捉
在庫切れは一見ネガティブですが、「欲しい」と思っている熱量の高いユーザーを捕まえるチャンスでもあります。入荷通知登録へ誘導し、メール本文からスムーズに商品ページへ復帰できる仕組みを構築しておくことが重要です。
③商品モデルの更新・在庫状況に応じた商品の差し替え
旧商品の在庫がなくなった場合、単に「売り切れ」と表示して放置するのではなく、即座に「同等の機能を持つ最新モデル」や「今在庫があるカラー」へバナーやリンクを差し替えるUX(ユーザー体験)の柔軟性が、購入率維持の鍵となります。
まとめ:SEO集客をムダにしない!アクセスを確実に売上に変えるECマーケティング
ECサイトの最終ゴールは、ページの検索順位を上げることやアクセス数を増やすことではなく、「売上と利益を創出すること」です。
どれほど優れたSEO施策でアクセスを集めても、在庫管理やサイト内の購入導線(CRO)が噛み合っていなければ、ECの成長はどこかで必ず頭打ちになります。
当社では、SEOによる集客支援はもちろんのこと、ECサイトの構造分析、サイト内のUI/UX改善、在庫状況を踏まえた販売導線の最適化まで、クライアント企業様の「EC売上最大化」に向けて集客から在庫・導線の改善まで一緒に見直します。
「アクセスはあるのに売上に繋がらない」「在庫切れやリンク切れによる機会損失を防ぎたい」とお悩みのEC事業者様・Webマーケティング担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。
島村磨周
新卒でブルースクレイ・ジャパンへ入社。Webコンサルタントとして、toC向けECやtoB向けコーポレートサイトなどの様々な業種のSEO/LLMO成果改善を支援。
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