2026.10.06 2026.10.06
Google検索では、検索結果上にAIが回答を生成する「AI Overviews(AIによる概要)」が表示される機会が増えています。
AI Overviewsには回答内容だけでなく、関連するウェブページへの参照リンクが表示されることがあります。そのため、「どのようなページがAI Overviewsに表示されるのか」「自社ページをAI検索上で見つけてもらうために何を見直せばよいのか」が気になっているWeb担当者も多いのではないでしょうか。
Googleは、AI OverviewsやAIモードなどの生成AI機能についても、従来のSEOのベストプラクティスが引き続き有効だと説明しています。
AI検索専用のテクニックを追加するのではなく、ユーザーにとって価値のある独自コンテンツを作り、Googleが適切に取得できる状態を整えることが基本です。
では、実際のAI Overviewsではどのようなページが参照リンクとして表示されているのでしょうか。
本記事では、ブルースクレイ・ジャパンが実際のAI Overviewsの検索結果を確認した事例と、
当社サイトのSearch Console「生成AIパフォーマンス」のデータをもとに、AI検索時代に見直したいコンテンツのポイントを紹介します。
なお、本記事では便宜上、AI Overviews内に参照リンクとして表示されるページを「引用元」と表現します。表示されたリンクだけから、そのページが回答生成にどの程度寄与したかを断定するものではありません。
AI Overviewsの引用元を実際に確認してみた
AI Overviewsへの対応を考える際、まず参考になるのが、実際の検索結果でどのようなページが参照リンクとして表示されているかを確認することです。
今回は、BtoC・BtoBそれぞれの検索結果を確認しました。
「サブスク おすすめ」では比較・ランキング・動画が表示

2026年9月に「サブスク おすすめ」と検索した際のAI Overviewsでは、Amazon Prime Video、DMM TV、U-NEXT、Netflixなど、複数のサービスが用途別に紹介されていました。
回答では、「コスパ・総合力重視」「アニメ・低価格重視」「作品数・最新作重視」など、単にサービス名を列挙するのではなく、ユーザーが選択するための観点とあわせて各サービスが提示されています。
さらに参照リンクを見ると、サービスの公式ページだけではなく、オリコン顧客満足度ランキングやマイベストなどの比較・ランキング系ページ、YouTube動画なども表示されていました。
少なくとも今回確認した検索結果では、公式サイトだけが情報源として表示されるわけではなく、比較サイトや動画を含む複数種類の情報源が参照リンクとして表示されていました。
これは、自社サイトの改善だけでなく、Web上で自社や競合がどのように紹介されているのかを見る必要性を考えるうえでも参考になる結果です。
※2026年9月時点の検索結果です。AI Overviewsの回答内容や参照リンクは、検索時期や検索環境によって変化する場合があります。
「MAツール 比較」では特徴・費用・選び方までまとめて回答
BtoB領域の例として、「MAツール 比較」の検索結果も確認しました。
AI Overviewsでは複数のMAツールが、「特徴・強み」「費用目安」とともに比較表で紹介されていました。
さらにツール一覧だけではなく、「BtoBかBtoCか」「予算や運用リソース」といった選び方のポイントまで回答内で説明されています。
ここで特徴的なのは、商品・サービス名だけではなく、ユーザーが比較・判断するための情報までまとめて提示されていることです。
「MAツール 比較」と検索するユーザーが知りたいのは、単なるツール一覧とは限りません。各ツールの違い、料金、向いている企業、選定時に確認すべきポイントなどを含めて比較したいと考えられます。
今回の検索結果からも、そうした検索意図に沿って複数の情報を組み合わせた回答が生成されていることが確認できました。
2つの事例から確認できたこと
今回確認した2つの検索結果だけで、AI Overviews全体の傾向を断定することはできません。
一方で、どちらの検索結果にも共通して、単なる商品・サービスの紹介ではなく、「比較するための情報」「選ぶための理由」まで回答内で提示されていた点は注目できます。
また、「サブスク おすすめ」では公式サイト以外の比較・ランキング媒体や動画も参照リンクとして表示されていました。
AI Overviewsへの対応を考える際は、「自社名やページが表示されるか」だけではなく、どのような情報が回答内で求められ、どのような種類のページが参照リンクとして表示されているかまで見ることで、改善のヒントを探しやすくなります。
AI検索では1つの質問から関連する情報も探される
AI検索を考えるうえでは、「入力された1つのキーワードだけに対応すればよい」と考えないこともポイントです。
Googleは、AI OverviewsやAIモードなどの生成AI機能について、ユーザーの質問に関連する複数の検索を同時に行い、追加の検索結果を取得する「クエリ ファンアウト」という仕組みを説明しています。
たとえば「MAツール 比較」という質問であっても、関連する情報として、料金、機能、用途、導入条件、選び方など複数の観点が必要になる可能性があります。
そのため、ページ改善では特定の検索キーワードを増やすのではなく、そのテーマについてユーザーが判断するために必要な情報を十分に提供できているかという視点が求められます。
ただし、クエリ ファンアウトで想定される検索語句を大量に洗い出し、それぞれに個別ページを作る必要があるわけではありません。Googleも、生成AI向けに検索語句のあらゆるバリエーションへ個別対応するようなコンテンツ制作は推奨していません。
実際の検索結果を踏まえて見直したい3つのポイント
Googleは、生成AI検索においても、独自性がありユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供することを推奨しています。
今回確認した検索結果も踏まえると、既存ページでは特に次の3点を見直したいところです。
比較・選び方など、判断に必要な情報があるか
商品・サービスページでは、機能や特徴だけを説明しているケースがあります。
しかし、比較検討中のユーザーが知りたいのは「どのような機能があるか」だけではありません。
たとえば、
- どのような人・企業に向いているのか
- 他の選択肢との違いは何か
- 何を基準に選べばよいか
- 導入・利用時に注意すべき点はあるか
といった情報も、意思決定には必要です。
今回の「MAツール 比較」のAI Overviewsでも、複数ツールの特徴や費用だけでなく、選定時のポイントまで回答されています。
自社ページでも「自社サービスの特徴」を伝えるだけでなく、ユーザーが自社を選択肢として判断するために必要な情報まで提供できているかを確認したいところです。
FAQ、導入事例、比較コンテンツなども、こうした判断材料を補うコンテンツとして活用できます。
自社だから提供できる情報や根拠があるか
一般的な説明だけで構成されたページは、他サイトとの差が生まれにくくなります。
Googleも、生成AI検索では、一般的な知識を超えた価値を提供する専門性・独自性のあるコンテンツに注力するよう案内しています。
たとえば、
- 自社で実施した調査結果
- 実際の利用データ
- 顧客から寄せられた質問
- 導入事例
- 専門家の知見
- 独自の比較・検証結果
などは、自社だからこそ提供できる情報です。
また、数値や調査結果を掲載する場合は、調査時期、対象者、母数、出典なども明確にすることで、ユーザーが情報の根拠を判断しやすくなります。
「AIに読み取られやすい文章」を新たに作ることよりも、その企業・サイトだから提供できる情報を増やすことを優先した方がよいでしょう。
情報が最新で、Googleが取得できる状態になっているか
コンテンツの内容だけでなく、情報の鮮度や技術的な状態も確認が必要です。
料金、サービス内容、制度、製品仕様などが変更されているにもかかわらず古い情報が残っていれば、ユーザーに誤った情報を伝える可能性があります。
また、Googleの生成AI機能でも通常のSEOの技術基盤が使われるため、Googleがページを適切にクロール・インデックスできる状態を整える必要があります。
たとえば、
- noindexになっていないか
- Googlebotが重要なコンテンツを取得できるか
- canonicalが適切か
- 内部リンクからページを発見できるか
- 掲載情報が現在も正しいか
など、通常のSEO上の確認も引き続き必要です。
自社サイトだけでなく、外部での見え方も確認する
「サブスク おすすめ」の例では、公式サイト以外にも比較・ランキングサイトや動画が参照リンクとして表示されていました。
そのため、自社のAI検索上の見え方を把握する際は、自社サイトだけを見るのではなく、第三者サイト上で自社や競合がどのように扱われているのかも確認します。
当社のLLMO調査では、自社名がAI回答に出るかだけでなく、競合がどのような質問で候補に入っているのか、どのような理由で紹介されているのか、どのような第三者サイトが情報源として表示されているのかなども確認しています。
実際の調査では、競合が複数の比較記事や専門メディアで紹介されている一方、自社について掲載されている第三者情報が限定的だったケースもありました。
ただし、「外部サイトへの掲載数を増やせばAI Overviewsに表示されやすくなる」と単純に考えることはできません。
Googleも、生成AI機能への表示を目的として不自然な「言及」を増やすことを推奨していません。
まず自社公式サイトの情報を正確かつ充実させたうえで、第三者サイトでは自社や競合がどのように紹介されているかを現状把握するという考え方が適切です。
AI検索上での自社・競合の見え方をプロンプト単位で確認する方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
AI検索の見え方を自社で確認したい方へ
当社では、AI検索における自社・競合の表示状況や引用元を手動で確認する方法を、無料資料にまとめています。
無料資料:【Web担当者向け】ツール不要! 手動でAIのおすすめロジックを分析する3ステップ
資料では、
- 自社・競合の表示状況を確認する
- 引用元・参考リンクを確認する
- 自社でできる改善施策を考える
という流れで、ツールを使わずに現状を確認する方法を紹介しています。
AI Overviews向けに特別なSEO対策は必要?
AI検索への関心が高まる中で、「AI向けに文章を細かく分ける」「llms.txtを設置する」「AI向けの構造化データを追加する」といった施策が紹介されることがあります。
しかしGoogleは、生成AI検索のためだけにコンテンツを細かく「チャンク化」したり、AI向けに文章を書き直したりする必要はないと説明しています。また、AI Overviews向けに追加すべき特別なschema.orgマークアップもありません。
llms.txtについても、Google検索は使用しておらず、設置の有無がGoogle検索での可視性やランキングにプラスにもマイナスにも影響しないと明記されています。ほかのサービス向けに設置すること自体は問題ありません。
AI Overviews向けの新しい施策を増やすことよりも、SEOの基本を土台として、ユーザーにとって有用で独自性のある情報を整えることを優先するのがGoogleの現在の考え方です。
改善後はSearch Console「生成AIパフォーマンス」で見え方を確認する
AI検索対策は、ページを改善して終わりではありません。
Google Search Consoleでは、2026年8月31日から「生成AIパフォーマンス レポート」が世界中のウェブサイト向けに提供されています。
このレポートでは、AIによる概要やAIモードにおけるオーガニックインプレッションの推移や、生成AI機能で表示回数の多いページ、デバイス・国などを確認できます。
当社サイトでも幅広いテーマのページが生成AI機能に表示
当社サイトの生成AIパフォーマンスを確認したところ、2026年5月18日〜9月29日の期間で、プロパティ全体では244,430回のインプレッションが記録されていました。
ページ別では、たとえば以下の記事の表示回数が多くなっています。
| ページテーマ | 生成AI機能での表示回数 |
|---|---|
| 3C分析 | 46,521 |
| TikTok | 26,154 |
| E-E-A-T | 18,977 |
| Instagram広告 | 16,989 |
| 4P分析 | 10,869 |
| 構造化データ | 8,804 |
ここで注目したいのは、生成AI機能での表示が、当社のサービスを直接紹介するページだけに限られていない点です。
3C分析や4P分析などのマーケティングの基礎知識、TikTokやInstagram広告、E-E-A-T、構造化データなど、当社のサービスを直接説明するページとは異なるテーマの記事でも、生成AI機能での表示が発生しています。
このデータだけでは、実際にどのような質問や回答の中で各ページが表示されたのかまでは確認できません。
一方で、生成AI検索におけるサイトの露出は、企業名やサービス名に関する情報だけでなく、その周辺のテーマのコンテンツにも広がっている可能性があることが分かります。
そのため、AI検索への対応を考える際は、サービスページやAI関連の記事だけを見るのではなく、自社が専門性を持つ領域の既存コンテンツ全体について、ユーザーにとって有用な情報を提供できているかを見直すことも重要です。
生成AIパフォーマンスだけで成果を判断しない
生成AIパフォーマンス レポートで確認できる中心的な指標は、Google検索の生成AI機能におけるインプレッションです。
そのため、「表示回数が多い=流入やCVへの貢献が大きい」とは限りません。
生成AI機能での可視性を把握する指標として利用しながら、
- 通常検索からの流入
- GA4上のユーザー行動
- サービスページへの遷移
- 問い合わせ・資料請求などのCV
と組み合わせて評価する必要があります。
また、1日単位の増減や1ページだけで判断するのではなく、どのテーマ・ページで表示が発生しているのかを継続的に見ることで、今後の改善対象を検討しやすくなります。
AI検索対策で当社が重視していること
当社では、AI検索への対応を、従来のSEOとは完全に別の施策として考えていません。
Google公式の情報からも、生成AI検索の土台には従来の検索ランキング・品質システムがあり、SEOの基本が引き続き有効であることが示されています。
そのうえで、AI検索では従来の順位・流入データだけでは見えなかった観点も加えて確認します。
たとえば、
- どのような質問で自社・競合が紹介されているか
- どのような理由で候補として挙げられているか
- どのようなページが参照リンクとして表示されているか
- 自社サイトに不足している判断材料はないか
- 第三者サイトでは自社・競合がどう扱われているか
- 改善後に生成AI機能での見え方がどう変化しているか
といった点です。
支援時に特に見つかりやすいのは、企業側では強みとして認識している情報が、Webページ上では「誰に向いているのか」「なぜ選択肢になるのか」まで説明されていないケースです。
その場合、単に記事を増やすのではなく、既存の商品・サービスページへの情報追加、比較・選び方コンテンツ、FAQ、事例など、どこで情報を補うべきかを検討します。
重要なのは「AIOに引用されるためのテクニック」を増やすことではありません。
SEOの基本を土台に、ユーザーが自社を理解・比較・選択するために必要な情報を整え、その情報がAI検索上でどのように扱われているかを継続的に確認することだと当社では考えています。
AI Overviewsへの対応は、既存のSEO・コンテンツ改善から
今回確認したAI Overviewsでは、「サブスク おすすめ」で比較・ランキングサイトや動画、「MAツール 比較」で複数サービスの特徴・料金・選び方をまとめた情報が表示されていました。
2つの事例だけでAI Overviews全体の傾向を断定することはできませんが、商品・サービスの紹介だけでなく、ユーザーが比較・判断するための情報まで回答に組み込まれているケースを確認できました。
また、当社サイトのSearch Consoleでは、AIを直接テーマとしない幅広い既存記事にも生成AI機能での表示が発生しています。AI検索対策を一部の「AI向けコンテンツ」に限定せず、既存のSEO・コンテンツを土台に、ユーザーが必要とする情報を充実させながら、AI検索上の見え方も継続的に確認していくことが大切です。
当社では、従来のSEO分析に加え、AI OverviewsやChatGPT、Geminiなどにおける自社・競合の表示状況、引用元・参照ページの傾向、どのような質問で候補に入るのかといったAI検索上の見え方も確認しています。
そのうえで、既存の商品・サービスページ、FAQ、記事、導入事例などに不足している情報を抽出し、SEOとLLMOの両面から、どのページをどのように改善するべきか、優先順位を含めてご提案します。
「AI検索で自社がどのように見られているのか分からない」「競合は表示されているのに自社が候補に入らない」「SEOとLLMOを分けずにサイト全体の改善を進めたい」といった課題がございましたら、ぜひ当社にご相談ください。
野口
新卒でブルースクレイに入社しWebコンサルティング部署に配属。キーワード選定やSEO対策に加え、CROや顧客体験の最適化も手掛ける。データ解析から施策実施、成果測定まで幅広くサポートし、売上改善にコミットするコンサルタント。
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