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BtoB広告、成果を伸ばすカギは「何をするか」より「どの順番で改善するか」

2026.09.15 2026.09.15 

BtoB広告、成果を伸ばすカギは「何をするか」より「どの順番で改善するか」

BtoB広告の成果が伸び悩むと、「新しい媒体を始める」「予算を増やす」といった打ち手に目が向きがちです。

しかし、これまでさまざまなBtoB企業の広告運用を支援してきて感じるのは、何をするか以上に、何から改善するかが重要だということです。

CPAが悪い状態で予算を増やせば、非効率な配信まで拡大します。
一方で、CPAだけを追って配信を絞り続ければ、獲得数は伸びません。

さらにBtoBでは、広告上のCVが増えても、商談や成約につながっていなければ事業成果にはなりません

そこで当社では、BtoB広告の改善を大きく4つのフェーズで考えています。

  1. 獲得効率を改善する
  2. 獲得数を増やす
  3. 商談・成約につながるリードを増やす
  4. 将来の顧客となる層へ接点を広げる

本記事では、実際の運用で成果につながった事例も交えながら、それぞれのフェーズで何を見るべきかを解説します。

BtoB広告は「改善する順番」で考える

私たちが基本としている考え方は、「効率を整える → 量を増やす → 質を高める → 需要をつくる」という順番です。

フェーズ 目的 主な施策
フェーズ1 獲得効率を改善する 検索広告、キーワード、広告文、LP改善
フェーズ2 CV数を増やす キーワード拡張、ディスプレイ広告、SNS広告、コンテンツ施策
フェーズ3 リードの質を改善する 商談・成約分析、業界・ターゲット別配信
フェーズ4 潜在層の認知を獲得する 動画広告、予約型広告、交通広告、PRなど

大切なのは、フェーズ1を飛ばして、いきなりフェーズ2やフェーズ4へ進まないことです。

たとえば、獲得効率が安定していない段階で媒体やターゲットを広げると、成果の良し悪しを左右している要因が見えにくくなります。

「既存施策に問題があるのか」「新しく広げた配信が悪いのか」を切り分けられず、改善の判断そのものが難しくなるためです。拡大する前に、勝ち筋を明確にしておくことが重要です。

まずは現在顕在化している需要を効率よく獲得できる状態をつくり、そのうえで配信量を増やす。
さらに商談や成約まで確認し、成果につながりやすい層へ投資を寄せていく。

この順番で改善を積み上げたほうが、中長期的に広告費を拡大しやすいアカウントになります。

フェーズ1|まずは顕在層からの「獲得効率」を改善する

最初に確認したいのは、すでに比較・検討行動を始めているユーザーを適切に獲得できているかです。BtoBでは、その中心となる施策の一つが検索広告となります。

検索広告の運用を見直す

検索広告は、ユーザー自身がキーワードを入力して情報を探しているため、BtoB広告の中でも比較的ニーズが顕在化したユーザーへアプローチできる施策です。

まずは、新しい媒体や施策を追加する前に、現在の検索広告に改善余地が残っていないかを確認します。

具体的には、以下のような項目です。

  • キャンペーン・広告グループの構成
  • 入札戦略
  • 広告文
  • キーワード・検索語句
  • マッチタイプ
  • 配信曜日・時間帯
  • デバイス
  • 地域
  • 除外キーワード

一つ一つは基本的な項目ですが、設定や訴求のわずかな違いが成果を左右することもあります。

「ターゲットを明確にした広告文」の改善事例

たとえば、あるBtoB商材の検索広告運用で、”個人利用を目的としたユーザー”が流入していることが課題になっていました。

そこで、広告文の冒頭に「【法人向け】」と追加。
するとクリック率は低下した一方で、法人利用を想定していないユーザーのクリックが減り、CVRが改善。結果としてCPAの改善につながりました。

表示回数 クリック数 クリック率 CV CVR CPA
実施前 10,400 600 5.9% 7 1.1% ¥72,000
実施後 10,500 520 4.9% 8 1.5% ¥58,000

BtoB商材では、キーワードだけで法人利用か個人利用かを完全に判別できないケースもあります。
その場合は、広告文の段階で「誰向けのサービスなのか」を明確にし、クリック前にユーザーとのミスマッチを減らすことも有効です。

このように検索広告の改善では、大きく構成を変える施策だけでなく、広告文、検索語句、配信条件など、既存の運用を細かく点検し、改善余地を潰していくことが重要です。

【運用現場で感じること】BtoBの検索広告は「○○ごとのLPO」が効く

もう一つ、BtoBの検索広告で成果を大きく左右するのがLP(ランディングページ)です。

たとえば、

・特定の業界に合ったサービスを探している
(例:「製造業向け ○○システム」と検索)
 ↓
・広告では、その業界向けのサービスであることを訴求している
(例:「製造業向け○○システムで業界トップクラスの実績!」)
 ↓
・LPでは、業界を問わない一般的な情報しか掲載されていない

という状態では、広告でつくった期待をLPで裏切ってしまいます。
そこで有効なのが、検索意図に合わせたLPO(ランディングページ最適化)です。

  • 業界別 LP
  • 課題別 LP
  • 職種・役職別 LP
  • サービス・機能別 LP

など、成果差が生まれる単位でLPやファーストビュー、訴求内容を変えていきます。

すべてのキーワードごとにLPをつくる必要はありません。

重要なのは、「ユーザーが検索したキーワード」と「LPで伝えている内容」を揃えることです。

個人的にも、BtoB検索広告で成果を伸ばすうえでは、広告だけを最適化するのではなく、キーワード単位の検索意図まで踏み込んでLPOを行うことが成功のポイントの一つだと考えています。

フェーズ2|獲得効率が改善されたら、CV数の拡大に移行

一定の獲得効率をつくれたら、次は獲得数を伸ばします。

ここで重要なのは、いきなり新しい媒体へ予算を移すのではなく、”まず今ある勝ち筋をどこまで広げられるか”を見ることです。

検索広告の配信範囲を広げる

獲得効率が安定してきたら、まずは現在の検索広告にまだ取り切れていない需要がないかを確認します。
新しい媒体を追加する前に、成果が出ている検索広告を起点に、

  • 新しいキーワードの追加
  • 周辺キーワードへの拡張
  • マッチタイプの拡張
  • AIを活用した配信の検証
  • 配信曜日・時間帯の拡張

などによって、獲得できるユーザーを増やせないか検証します。

ただし、目標CPAで獲得できているキーワードがあるからといって、関連するキーワードを一度に追加するわけではありません。

たとえば、現在配信しているキーワードから周辺キーワードへ対象を広げれば、検索ボリュームは増えますが、同時にユーザーの検索意図も変わります。これまでと同じ広告文やLPで成果を出せるとは限らず、対象を広げるほどCPAが悪化する可能性もあります。

そのため、現在成果が出ている領域を起点に、キーワードやマッチタイプ、配信条件を段階的に拡張し、その都度CPAやCV数の変化を確認するのが基本です。

「配信量を増やす」のではなく、獲得効率を維持しながら、どこまで獲得対象を拡張できるかを見極める

この考え方で、検索広告から獲得できるCV数を伸ばしていきます。

ディスプレイ広告やSNS広告で、新たな獲得層を開拓する

検索広告の獲得効率を改善し、キーワードや配信条件の拡張も進めると、検索広告だけではCV数を伸ばしにくくなるタイミングがあります。

検索広告は、すでに検索行動を起こしているユーザーを捉える施策です。そのため、対象となる検索需要そのものに一定の上限があります。

そこで次に検討するのが、ディスプレイ広告やSNS広告などを活用した新たな獲得層へのアプローチです。

検索広告との大きな違いは、ユーザーの検索キーワードを起点にするのではなく、業種や職種、興味関心、Web上の行動など、媒体ごとに異なるシグナルをもとに配信対象を設計できることです。

その分、検索広告と同じCPAを基準に単純比較するのではなく、どのようなターゲットからCVが生まれ、その後商談・成約につながっているかまで見ながら評価する必要があります。

どの媒体を選ぶかも重要ですが、私たちがそれ以上に重視しているのが、「誰に、何を訴求するか」をセットで設計することです。

ターゲティングとクリエイティブはセットで設計する

ディスプレイ広告やSNS広告では、ターゲティングを細かく設定するだけでは十分ではありません。
同じ商材でも、ターゲットによって抱えている課題や、サービスを検討する際に重視するポイントは異なります。

たとえば、同じBtoBサービスを訴求する場合でも、「経営層」と「現場担当者」では広告で伝えるべき内容が変わります。

  • 経営層への訴求例

    売上へのインパクト/コスト削減/組織全体への効果

  • 現場担当者への訴求例

    業務工数の削減/導入・運用のしやすさ/現場が抱える具体的な課題の解決

もちろん、実際にどの訴求が有効かは商材やターゲットによって異なります。
重要なのは、ターゲットを分けるだけで終わらず、それぞれが何を課題とし、何を判断材料にするのかまで考えてクリエイティブに反映することです。

媒体ごとの特性も踏まえて配信先を選ぶ

ディスプレイ広告では、媒体によって配信面や利用できるターゲティングが異なるため、商材やターゲットとの相性を見ながら配信先を選定します。

実際に私たちが支援したBtoB案件では、複数媒体を運用したなかで、Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)がCV数・獲得効率ともに良好な傾向にありました。

要因の一つとして考えられるのが、配信面やターゲティングと商材との相性です。
YDAでは、PCで視認性の高い広告枠を活用できることに加え、顧客リストを用いたターゲティングや、スマートターゲティングなど精度の高い配信拡大に向けた機能が活用できます。

ディスプレイ広告媒体 月間CV CPA 成約CV 成約CPA
Google広告(GDN) 10~20 ¥65,000 2 65万~130万円
Yahoo!広告(YDA) 100~150 ¥55,000 16 35万~50万円
Microsoft広告 80~120 ¥50,000 8 50万~75万円

ただし、この結果だけで「BtoBではYDAが最も成果が出やすい」とは言えません。
媒体選定ではCPAだけを比較するのではなく、CV数の拡大性や商談・成約へのつながり方まで確認しながら、自社に合う媒体を見極めることが重要です。

BtoB広告は、広告成果だけを見て判断しない

BtoBの広告運用では、広告管理画面上の数値だけでは成果の背景まで捉えきれないことがあります。広告以外の施策が、検索数やサイト流入、その後のCVに影響しているケースがあるためです。

実際に、DMを実施したタイミングで検索広告経由のCVが増加したケースがありました。

ユーザーが、

DMで企業・サービスを知る → 後日検索する → 検索広告をクリックする → CVする

という行動を取っていた場合、広告管理画面上では検索広告経由のCVとして計測されます。

そのため、検索広告の設定変更や入札調整だけを見て「広告施策によってCVが増えた」と判断すると、実際の要因を見誤る可能性があります。

DMに限らず、セミナーや展示会、記事公開、メール配信など、他のマーケティング施策を実施した前後では、広告指標にも変化が現れることがあります。

広告運用の成果を分析する際は、CPAやCV数の推移だけを見るのではなく、同じ期間にどのような施策が実施されていたか、その施策が検索やサイト流入に影響していないかまで確認することが重要です。

広告を単独で評価するのではなく、他施策との関係まで含めて変化の要因を捉えることで、次の予算配分や改善施策の判断もしやすくなります。

フェーズ3|「リードの質を改善して商談・成約につなげる

CV数が増えてきたら、次は広告管理画面上のCPAやCV数だけでなく、有効リード → 商談 → 成約まで確認し、広告の評価基準を変えていきます。

BtoB広告では、CPAが低いキャンペーンやターゲットほど、商談・成約につながっているとは限りません。そこで、成約データが蓄積されてきたら、成果につながったユーザーにどのような共通点があるかを分析します。

たとえば、

  • 成約率の高い業界
  • 成約率の高い企業規模
  • 商談化しやすい職種・役職
  • 成約につながりやすいキーワード
  • 成果の高い媒体・キャンペーン
  • 成約につながったクリエイティブ

こうした分析によって、「CVを獲得しやすい層」と「商談・成約につながりやすい層」が異なることも見えてきます。その結果を、ターゲティングやキーワード、クリエイティブ、予算配分などの広告運用に反映していきます。

実際に私たちの運用案件でも、広告経由の成約データを分析したところ、特定の業界でCVから成約への転換率が高い傾向が見られました。

そこで、その業界に絞ったターゲティングや配信強化、クリエイティブの最適化を実施。さらに、成約まで含めれば採算が合うと判断し、広告管理画面上のCPAの許容値も引き上げることで、配信量とCV数を拡大しました。

結果は次のとおりです。

配信手法 ターゲティング 広告CV 広告CPA 成約数 成約CPA
Google検索 一般キーワード 100 ¥57,000 10 ¥560,000
GDN 特定業界ターゲティング 20 ¥72,000 5 ¥280,000

広告CPAだけを見ると、特定業界向け配信のほうが高くなっています。
一方、成約CPAは一般キーワードの半分です。

つまり、広告管理画面上のCPAだけを基準にしていれば「効率が悪い」と判断しかねない配信でも、成約まで見ることで投資を強化すべき領域だと判断できるということです。

BtoB広告では、安くCVを獲得することだけを目指すのではなく、商談・成約データから成果の良いターゲットを見つけ、その情報を広告運用に戻していくことが重要です。

フェーズ4|潜在層への認知を広げる

顕在層・準顕在層からの獲得を伸ばした先では、動画広告や予約型広告、交通系広告やビジネスメディアなどを活用し、まだ自社やサービスを認知していない潜在層まで配信対象を広げます。

このフェーズでは、広告経由の直接CVだけで施策を評価しないことが重要です。潜在層への広告接触が、その後の検索やサイト訪問を経てCVにつながることもあるため、

  • 指名検索数
  • サイト流入
  • 広告接触後の検索・サイト訪問
  • 問い合わせ・商談時の認知経路

などもあわせて確認します。

潜在層向け施策では、「その広告から何件CVしたか」だけではなく、その後の検索や流入、CVにどのような変化があったかまで含めて効果を判断することが重要です。

まとめ|BtoB広告は「改善する順番」と「見る範囲」が重要

BtoB広告の改善では、成果が伸び悩んだからといって、すぐに媒体や予算を増やせばよいわけではありません。

本記事では、改善の流れを4つのフェーズに分けて紹介しました。

  • 獲得効率を改善する
  • 獲得数を増やす
  • リードの質を改善する
  • 潜在層への認知を広げる

まずは既存の広告で獲得効率を整え、そこから配信対象や施策を拡張する。さらに、CV後の商談・成約データを広告運用に戻し、成果につながるターゲットへの投資を強めていきます。

また、広告の成果は管理画面のCPAやCV数だけでは判断できません。他のマーケティング施策による影響や、商談・成約まで含めて見ることで、初めて「どこに予算を増やすべきか」「何を改善すべきか」が見えてきます。

BtoB広告では、広告管理画面の数字を改善することではなく、事業成果につながる形で広告投資を拡大していくことをゴールに、改善を積み重ねていくことが重要です。

井上由胤

井上由胤

メディアプランニング部にてBtoB業界や介護、教育、人材系等幅広い業界の運用に従事。月間広告費5,000万円規模のクライアントも支援。 現在はWeb広告のみだけでなく、今後の戦略に関する提案にも取り組んでいる。

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