2023.07.18 2023.07.19
GAユーザーがサイトに訪れて、すぐに離脱した場合と、最後までページを呼んだうえで離脱した場合では、同じセッション数でもページの価値は変わってきます。
そのときに役立つ指標がスクロール率です。
今回は、GA4におけるイベントのひとつである「スクロール率」の設定方法を紹介します。
目次
GA4のスクロール率
GA4では「scroll」というイベント名でスクロール率を把握できます。
そもそもスクロール率とは、Webサイトのページがスクロールされた割合を表している指標です。
つまり、「ユーザーは表示されたページのうち、どこまで読んだのか」を表していて、Webページの質を把握することに役立ちます。
たとえば、Webページの最後までユーザーが記事を読んでいないことが発覚したとします。
どの部分でユーザーが離脱しているのか確認できれば、サイト構造のうちどこに問題があるか把握できます。
UAでは、このスクロール率を計測しようとすると、Googleタグマネージャー(GTM)を使用する必要がありました。しかし、GA4にアップデートされたことで、GTMを使用せずに設定が可能となりました。
GA4でスクロール率を計測する
では、どのようにGA4の管理画面でスクロール率を計測するのか、紹介していきます。
GA4のみでスクロール率を計測するには、拡張計測機能を使用します。
拡張計測機能を使用した設定方法
設定方法は、以下の手順になります。
- 管理画面のプロパティのなかにある「データストリーム」を選択する。
- スクロール率を設定したいWebサイトを選択する。
- ウェブストリームの詳細から歯車ボタンをクリックして、スクロール数を有効にする。
拡張計測機能イベントを含めた、GA4のイベントについては以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。
GA4で設定するスクロール率の注意点
ただし、ページのトップを0%として、計測できるスクロール率は90%のみとなります。
ユーザーが、ページのスクロールが90%に満たない割合で離脱してしまった場合、「scroll」というイベントは計測されません。
たとえば、下記のイメージ図のように、ページの途中にサービスの詳細サイトへ誘導するボタンを設置しているとします。この場合、サービスの詳細サイトへ遷移はしているものの、誘導につながったこのページの「scroll」は計測されず、レポート上は「0」と表示されます。
このように、ページの途中までのスクロール率を計測したい場合や、さらに細かくスクロール率を計測したい場合は、UAと同様にGTMを使用する必要があります。
GTMを使ってGA4のスクロール率を計測する
前述したとおり、より詳細にユーザーの行動を把握したい場合には、GA4でもGTMを使用します。
GTMの「スクロールされた距離」というトリガーを利用することで、計測したい任意の値を設定できます。
GTMでスクロール率を設定する方法
GTMでの設定方法は、以下の手順になります。
- 左側のメニューから「タグ」を選択します。
- 「新規」をクリックします。
- 「タグの設定」を選択し、タグタイプのなかから「Googleアナリティクス:GA4イベント」を選択します。
- イベント名を入力します。設定タグでは「GA4設定タグ」を選択します。
- イベントパラメータにてパラメータ名と組み込み変数を入力します。
変数には「{{Scroll Depth Threshold}}」を入力します。
※事前に変数の設定をしておきましょう。
左のメニューから変数を選択して、設定をクリックします。
組み込み変数の設定のなかから、「Scroll Depth Threshold」にチェックを入れます。
- 「タグの設定」の下にある「トリガー」を選択します。
トリガーの選択の右にある「+」(プラスボタン)をクリックします。 - 「トリガーの設定」をクリックして、トリガーのタイプから「スクロール距離」を選択します。
- 今回は、縦方向スクロール距離を選択します。
割合、もしくはピクセル数に任意の値を入力し、保存します。
※割合・ピクセル数を設定する場合は、「0」を一緒に設定することをおすすめします。
集計する際に母数を出せるため、計算がおこないやすくなります。
- タグの名前を入力後保存をクリックします。
以上でGTMの設定は完了です。その後、設定したGTMタグをGA4でカスタムイベントとして設定します。
カスタムイベントの設定方法についても知りたい方は、【GA4】イベントってなに?種類、設定方法まで解説!をご覧ください。
GTMでスクロール率を計測する場合、GA4の拡張計測機能にある「スクロール数」は計測をオフにしておきましょう。これは、GA4とGTM両方で重複して計測された結果、データが正しく収集できなくなってしまうことを防ぐためです。
まとめ
いかがでしたか。
GA4にアップデートされ、GTMを利用せずとも簡単にスクロール率を計測できるようになりました。しかし、計測されるタイミングのカスタマイズ性にはどうしても欠けてしまいます。
収集したいデータに合わせて、GA4とGTMを活用しましょう。
marke@bcj
ウェブマーケティングコンサルタント 詳細な分析から成果改善までをコミット!
BCJメールマガジンのご登録
最新のセミナー情報やお役立ち情報をメールにてお届け致します!
-
パンくずリストとは?種類やSEO効果、ユーザビリティ向上のメリットを徹底解説
2024.11.13
View more
-
共起語とは?サジェストや関連キーワードとの違い、調査方法とユーザーニーズを把握する方法を解説
2024.11.11
View more
-
PV(ページビュー)数とは?セッション数やUU数との違い、目安と増やす方法
2024.11.07
View more
-
被リンクとは?SEO効果や良質な被リンクの増やし方を徹底解説
2024.11.05
View more
-
コンテンツマーケティングとは?メリットや実施手順・成功事例を解説
2024.10.21
View more
-
robots.txtとは?書き方や確認方法、SEO上の効果について徹底解説!
2024.08.05
View more