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最終CVから考えるキーワード戦略!フレーズ一致への転換で申込CPA58%改善

2026.10.28 2026.10.28 

最終CVから考えるキーワード戦略!フレーズ一致への転換で申込CPA58%改善

「資料請求のCPAは改善しているのに、申込や契約が増えない」。
リスティング広告の運用で、このような課題を抱えていないでしょうか。

資料請求や問い合わせなどの中間CVを目標に広告運用を最適化しても、必ずしも最終成果の改善につながるとは限りません。
特に、資料請求から申込までに長い検討期間を要する商材では、最終CVへの貢献度を踏まえたキーワード戦略が重要です。

ブルースクレイジャパンが支援した高関与・長期検討型のBtoC商材では、キーワード戦略をインテントマッチ主体からフレーズ一致・完全一致主体へ転換しました。その結果、資料請求CPAは24%悪化した一方で、申込CPAは58%改善しました。

本記事では半年間の実データをもとに、キーワード戦略の変更内容と成果が改善した要因を解説します。

結論:評価すべきは資料請求CPAではなく申込CPA

資料請求を経て申込に至るような複数のCV段階がある商材では、広告を資料請求CPAではなく申込CPA(最終成果の獲得単価)で評価すべきです。
自動入札は、目標に設定したCVを最大化するように学習します。資料請求を目標にした場合は、比較検討中のユーザーから情報収集の段階にあるユーザーまで、資料請求につながる幅広い層が配信の対象になります。

この問題の解決策が、マッチタイプによる配信先のコントロールです。
インテントマッチで広く拾うのではなく、フレーズ一致・完全一致で「購入を検討している人の検索」に予算を集中させます。
今回の事例では、この転換によって資料請求の件数とCPAは悪化しましたが、申込は約2.6倍に増え、申込CPAは58%改善しました。

重要なのは「どのマッチタイプが優れているか」ではありません。何を成果として定義し、その成果に向けて配信をどう設計するかです。

Google広告のマッチタイプの基本

Google広告のマッチタイプは、インテントマッチ・フレーズ一致・完全一致の3種類です。
広告が表示される範囲はインテントマッチが最も広く、完全一致が最も狭くなります。Googleによると、フレーズ一致の対象には完全一致の対象がすべて含まれ、インテントマッチの対象にはフレーズ一致と完全一致の対象がすべて含まれます。

インテントマッチ(旧:部分一致)とは

インテントマッチは、登録したキーワードの語句を含まない検索にも、意図が近いと判断されれば広告を表示するマッチタイプです。Googleは2024年7月、従来の「部分一致」を「インテントマッチ」に名称変更しました。大規模言語モデル(LLM)の活用により、検索語句の表面的な意味だけでなく、関心や購買意向まで捉えられるようになったことが理由とされています。

インテントマッチは、ランディングページや広告グループ内の他のキーワード、検索履歴などのシグナルも考慮して配信先を判断します。そのため、スマート自動入札と組み合わせることで「CVしそうな検索」を幅広く拾えるのが強みです。

フレーズ一致・完全一致との違い

マッチタイプ 広告が表示される範囲 主な強み 主な注意点
インテントマッチ キーワードと意図が近い検索(語句を含まない検索も対象) 想定外の需要まで広く獲得できる 隣接ニーズの情報収集層にも配信が広がりやすい
フレーズ一致 キーワードの意味を含む検索 意図を保ったまま、組み合わせの語句まで拾える インテントマッチより配信量は少ない
完全一致 キーワードと同じ意味の検索 最も精度が高く、予算を管理しやすい 配信量が限られ、需要を取りこぼしやすい

どのマッチタイプにも優劣はありません。
ポイントは、自動入札が学習するCV(成果地点)と、マッチタイプが決める配信範囲の組み合わせです。
次章では、この組み合わせを変えたことで最終成果がどう変わったかを、実データで示します。

【実データ】インテントマッチ主体からフレーズ一致・完全一致へ転換した結果

半年間の前年同期比較で、申込CPAは58%改善し、申込数は約2.6倍になりました。
一方で、資料請求CPAは24%悪化しています。ここでは、ブルースクレイジャパンが支援した高関与・長期検討型のBtoC商材の事例を紹介します。

背景:資料請求は取れるのに申込につながらない

この商材は、ユーザーが資料請求をした後、数週間から数か月かけて比較・検討し、申込に至ります。
変更前の運用では、資料請求を最適化目標とし、インテントマッチとスマート自動入札で資料請求CPAを下げることを目指していました。

資料請求の件数とCPAは安定しており、資料請求の獲得という目的に対しては十分に機能していました。
一方で、資料請求から申込に至る割合は1%を下回っており、最終成果を伸ばす余地が残されていました。

実施した施策:マッチタイプとキーワード設計の転換

変更前は、Google広告の費用の約69%がインテントマッチ経由でした。
そこで、確度の高い検索に配信を集中させるため、次の2つを同時に実施しました。
施策はGoogle・Yahoo!・Microsoftの検索広告3媒体すべてに適用しています。

項目 変更前 変更後
マッチタイプの内訳(費用比) インテントマッチ69%、完全一致17%、フレーズ一致14% フレーズ一致74%、完全一致26%
広告グループの軸 テーマ(関連する領域)別 ユーザー属性・検討段階別
隣接テーマ向けの広告グループ 費用の約18% 廃止
主なキーワードの型 関連領域の広いワード 商材名+比較・費用・地域・条件

結果:資料請求CPAは悪化、申込CPAは58%改善

検索広告3媒体の合計 資料請求数 資料請求CPA 転換率
(資料請求→申込)
申込数 申込CPA
変更前 2,000件 ¥4,000 0.9% 19件 ¥421,000
変更後 1,790件 ¥4,900 2.8% 50件 ¥177,000
変化 -10% +24%(悪化) 約 3倍 約 2.6倍 -58%(改善)

資料請求の件数は1割減り、CPAは24%悪化しました。資料請求CPAだけで評価すれば「失敗」と判断される結果です。
しかし、資料請求から申込への移行率は約3倍に上がり、申込CPAは58%改善しました。
媒体別に見ても、Google・Yahoo!・Microsoftのすべてで申込CPAが改善しています。

検索語句の変化:商材に直結する検索への費用配分が54%から77%へ

Google広告の検索語句レポートをもとに、検索語句を意図別に分類しました。分類はキーワードのルールに基づく当社の分析です。

検索語句の分類(費用比) 変更前 変更後
商材に直結する検索(比較・費用・条件など) 54% 77%
隣接ニーズの情報収集(関連スキル・ハウツーなど) 23% 5%
その他 22% 18%

隣接ニーズの検索は、商材と関係はあっても、目的は「情報を得ること」です。
この層への費用を約5分の1に減らし、その分を検討層に振り向けました。
CTRも4.6%から8.4%へと約1.8倍に上がっており、検索した人の意図と広告の内容が一致するようになったことがわかります。

なぜ申込単価が改善したのか:3つの要因

申込単価が改善した最大の理由は、最適化の基準を「資料請求の獲得」から「申込への貢献」へ切り替え、申込に近い検索へ予算を集中させたことです。
その背景には、中間CVでは質の差が見えないという構造的な問題がありました。

要因1:検討段階に合わせてキーワードを再設計した

インテントマッチは、キーワードと関連する幅広い検索に広告を表示します。
今回の商材では、関連するスキルの学び方やハウツーなど、隣接ニーズの検索に費用の約4分の1が使われていました。こうしたユーザーは資料請求することはあっても、申込を検討しているとは限りません。

フレーズ一致と完全一致に絞り、「商材名+比較・費用・条件」といった検討段階のキーワードを中心に据えたことで、費用の77%が商材に直結する検索に向かうようになりました。

要因2:中間CVのCVRでは、質の差が見えない

今回の分析で最も重要な発見は、変更前の段階で、インテントマッチとそれ以外のマッチタイプのCVR(Google広告上のCV)がほぼ同じだったことです。どちらも約2.2%で、資料請求の段階では「インテントマッチも十分に効率が良い」ように見えていました。

自動入札は、与えられたCVを最大化するように学習します。資料請求を目標にしている限り、資料請求を獲得しやすい情報収集層も「良いユーザー」として扱われます。質の差が表れるのは申込の段階であり、中間CVだけを見ていると、この問題に気づくことはできません。

要因3:情報収集層への費用を検討層へ再配分できた

総広告費は11%増えましたが、隣接ニーズの検索への費用配分は23%から5%に減りました。浮いた予算は、比較・費用・条件などで検索する検討層に再配分されています。CPCは上がりましたが、申込に近いユーザーへの接触が増えたことで、最終成果あたりの費用は大きく下がりました。

フレーズ一致に切り替える際の注意点

フレーズ一致への転換は、配信量の減少とCPCの上昇を伴います。 中間指標の悪化を受け入れ、最終成果で判断する体制がなければ、施策を途中で止めてしまうおそれがあります。

表示回数の減少とCPCの上昇をどう判断するか

今回の事例では、検索広告の表示回数は大きく減り、CPCは約40%上昇しました。
配信範囲を絞った結果、競合と競り合う検討層のキーワードに予算が集中したためです。

ここで判断を誤らないために、評価の優先順位を事前に決めておくことが重要です。CPCや資料請求CPAは「途中経過の指標」と位置づけ、最終的な判断は申込CPAで行う、と関係者間で合意しておきましょう。

最終CVの件数が少ない場合は評価期間を長く取る

申込のような最終CVは、資料請求に比べて件数が少なくなります。件数が少ない段階で判断すると、偶然の変動に左右されやすくなります。

今回は半年間の前年同期比較で評価しました。少なくとも、資料請求から申込までの平均的な検討期間をカバーする期間を確保し、季節要因の影響を受けにくい比較方法を選ぶことをおすすめします。

インテントマッチが向いているケース

インテントマッチが常に不利なわけではありません。次のようなケースでは、インテントマッチが有効な選択肢になります。

  • 検索ボリュームが少ないニッチな商材:フレーズ一致や完全一致では配信量が確保できない場合
  • 最終成果を自動入札に学習させられる場合:申込などの最終CVをGoogle広告に取り込み、十分な件数で入札を最適化できる場合
  • 新しい需要を探索したい場合:想定していない検索語句から、新たなキーワード候補を見つけたい場合

大切なのは、マッチタイプを「設定」ではなく「戦略」として選ぶことです。

まとめ

今回の事例では、インテントマッチ主体からフレーズ一致・完全一致主体へキーワード戦略を転換した結果、資料請求CPAは24%悪化した一方で、申込CPAは58%改善しました。

この結果が示しているのは、中間CVの獲得効率が良くても、必ずしも最終成果につながるとは限らないということです。

重要なのは、フレーズ一致・完全一致への変更そのものではありません。どの検索語句が最終CVに貢献しているかを分析し、その結果に応じてキーワードやマッチタイプ、予算配分を最適化することです。

資料請求や問い合わせのCPAは良好なのに、申込や契約が伸び悩んでいる場合は、最終CVを基準に現在のキーワード戦略を見直してみてはいかがでしょうか。

よくある質問(FAQ)

Q. フレーズ一致に変えると、配信量はどのくらい減りますか?

A. アカウントの構成によって異なりますが、インテントマッチの比率が高いほど大きく減ります。今回の事例では、費用の約7割がインテントマッチ経由だったため、表示回数は大きく減少しました。ただし、減った分の多くは申込につながりにくい情報収集層の検索でした。

Q. インテントマッチは使わないほうがよいのですか?

A. いいえ。検索ボリュームが少ない商材や、申込などの最終CVを自動入札に学習させられる場合は、インテントマッチが有効です。どのCVを学習させているかと、配信範囲の組み合わせで判断することが重要です。

Q. 効果を判断するまでに、どのくらいの期間が必要ですか?

A. 資料請求から申込までの平均的な検討期間をカバーできる期間が目安です。最終CVは件数が少ないため、短期間では偶然の変動に左右されやすくなります。今回の事例では、半年間の前年同期比較で評価しました。

ブルースクレイ・ジャパン編集部

ブルースクレイ・ジャパン編集部

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