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Googleの注意喚起から考えるSEOツールの正しい使い方

2026.11.06 2026.11.06 

Googleの注意喚起から考えるSEOツールの正しい使い方

SEOの分析では、Google Search ConsoleやGA4に加えて、Ahrefsなどの外部ツールを利用する機会も多いのではないでしょうか。

検索順位の推移や競合サイトの流入状況、被リンクの評価など、さまざまな情報を確認できるため、SEO施策を検討するうえで便利な存在です。

一方で、ツールに表示される数値をどのように評価すべきか、迷う場面もあると思います。

実際に、ブルースクレイ・ジャパンがSEOコンサルティングをご支援する中でも、お客様から「ドメインランクをKPIに設定した方がよいのでは?」というご質問をいただいたことがありました。

ドメインランクのような数値はサイトの状態を把握する手がかりになりますが、数値が上がることとSEOの成果が上がることは、必ずしも同じではありません。

今回はGoogleの公式見解を踏まえながら、第三者ツールの数値をどう捉えるべきか、また当社が実務でどのように活用しているのかをご紹介します。

Googleが第三者SEOツールの利用に注意喚起

Googleは2026年6月、第三者が提供するSEOツールやサービス、アドバイスを評価する際の考え方をまとめたガイダンスを公開しました。

このガイダンスでは、従来のSEOだけでなく、AEO(Answer Engine Optimization)やGEO(Generative Engine Optimization)など、生成AI検索に関連するサービスや助言も対象としています。

特に押さえておきたいのは、以下の3点です。

  1. 第三者ツールはGoogleの内部ランキングデータにアクセスできない
    第三者ツールが提供する予測値は、各ツールが独自に算出したものであり、Googleの公式な評価指標ではありません。
  2. 第三者ツールやサービスの利用によって、検索順位の向上が保証されるわけではない
    Googleが承認・容認していると主張するサービスについても、注意して評価する必要があります。
  3. Googleの公式ガイダンスやSearch Consoleを活用する
    外部のSEOに関する助言はGoogleの公式情報と照らし合わせ、自社サイトの検索パフォーマンスはSearch Consoleなどで確認することが推奨されています。

出典:Google 検索セントラル「サードパーティの SEO ツール、サービス、アドバイスの使用に関する Google 検索のガイダンス」

ここで注意したいのは、Googleが第三者ツールの利用自体を否定しているわけではないという点です。

実際、SEOでは自社サイトだけでなく、競合サイトの検索状況や被リンク、検索結果の変化などを調べる必要があります。こうした調査では第三者ツールが役立つ場面も多くあります。

重要なのは、ツールが提供するデータの意味を理解し、その数値から何を判断できるのかを見極めることです。

「ドメインランクをKPIにすべき?」実際にいただいた質問とその回答

ドメインランクはGoogleの評価指標ではない

過去に、SEOコンサルティングをご支援しているお客様から、数値報告のミーティングの中で「ドメインランクをKPIに設定した方がよいのでは?」というご質問をいただいたことがありました。

サイトの評価を数値で確認できるのであれば、それを目標にしたいと考えるのは自然なことだと思います。

ここでは、ドメイン評価指標の一例として、Ahrefsの「Domain Rating(DR)」を取り上げます。

DRは、Webサイトが持つ被リンクプロフィールの強さを、Ahrefsが独自の計算方法によって0〜100の数値で表した指標です。主にリンク元となるドメインの数や評価などをもとに算出されます。

数値が高いサイトほど、Ahrefsのデータ上では被リンクプロフィールが強いと評価されていることになります。

ただし、DRはGoogleが検索順位を決める際に直接使用している指標ではありません。

Ahrefs自身も、DRなどの独自スコアが検索エンジンのランキング要因として利用されていることを示す証拠はないと説明しています。

出典:Ahrefs「Domain Rating(DR)とは」
参考:Ahrefs「Do search engines use domain authority/domain rating as a ranking factor?」

Ahrefsで見るドメインランクの数値

もちろん、被リンクはSEOを考えるうえで無視できない要素です。また、DRが高いサイトと検索上位を獲得しているサイトの間に相関が見られることもあります。

出典:Ahrefs「What is Domain Rating (DR)?」

しかし、相関があることと、そのスコア自体がGoogleの評価基準になっていることは別の話です。

DRが上昇したからといって、必ずしも自然検索からの流入が増えるわけではありません。逆に、DRに大きな変化がなくても、コンテンツ改善やサイト構造の見直しによって検索流入やCVを増やせる可能性はあります。

サイト構造の見直しによって成果が改善した事例は以下の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【SEO改善事例】ECサイトの流入改善は、パンくずリストの見直しから
【SEO改善事例】ECサイトの流入改善は、パンくずリストの見直しから
ECサイトや求人サイトなど、膨大なページ数を持つサイトのSEOでは、パンくずリストを含むサイト構造の見直しが、大きな改善につながることがあります。 パンくずリス...

そのため、独自指標は数値そのものを追いかけるのではなく、何を把握するための指標なのかを理解して使う必要があります。

SEOのKPIは何を基準に設定すべきか

では、実際にお客様からいただいた「ドメインランクをKPIにすべきか」というご質問に対して、どのように考えるべきでしょうか。

当社では、SEOのKPIを検討する際、まず施策によって何を実現したいのかを整理すべきであると考えています。

例えば、SEOの目的が自然検索からの見込み顧客の獲得であれば、以下のような指標が候補になります。

目的 確認する主な指標
検索結果での露出を増やす 表示回数、検索順位
自然検索からの流入を増やす クリック数、セッション数、検索順位
問い合わせ・購入を増やす CV数、CVR、収益
被リンクの獲得状況を把握する 参照ドメイン数、DR

DRは被リンクの状況を調査するための参考指標としては役立ちますが、一般的なSEO施策の最終的な成果を評価する指標としては適していないと考えています。

例えば、DRの数値が改善していても、事業上重要なキーワードの検索順位が低下し、問い合わせ数も減少しているのであれば、SEOの目的を達成できているとは言いにくいでしょう。

「どの数値を上げるか」ではなく、「その数値が改善することで、どのような成果につながるのか」という基準でKPIを設定しましょう。

第三者ツールは「成果の評価」と「分析・調査」で使い分ける

第三者ツールはどのように活用するのがよいのでしょうか。

当社では、SEOの分析を行う際に、データの取得元や算出方法を踏まえてツールを使い分けることを重視しています。

例えば、自社サイトの検索パフォーマンスを把握する場合、Google Search Consoleでは検索キーワードごとのクリック数や表示回数、平均掲載順位などを確認できます。

また、GA4ではサイトへの流入後の行動やCV状況を確認できるため、SEOが事業成果にどの程度つながっているかを分析する際に役立ちます。

一方、競合サイトの検索流入キーワードや被リンク状況については、自社サイトと同じようにSearch Consoleのデータを取得できるわけではありません。

このような場面で役立つのが、Ahrefsをはじめとした第三者ツールです。

競合サイトがどのようなキーワードで検索結果に表示されていると推定されるのか、自社にはない被リンクをどのようなサイトから獲得しているのかといった情報を把握できます。

第三者ツールが提供する数値は、推定値のためデータの扱いには注意が必要ですが、競合サイトの推定流入数を見て仮説を立てることには活用できます。

第三者ツールは、実績値の代わりとして使うのではなく、自社では把握しにくい情報を補い、改善のヒントを見つけるために活用することが重要です。

第三者ツールの活用例|AhrefsによるAI Overviews競合分析

AIOの引用状況を競合と比較し、改善機会を発見する

第三者ツールは、データの性質を理解して活用すれば、自社サイトだけでは把握しにくい課題や改善機会を発見する手がかりになります。

その一例として、当社で実施したAI Overviews(AIによる概要、以下AIO)の引用状況分析をご紹介します。

あるサイトの分析では、Ahrefsなどの第三者ツールを活用し、自社と主要競合3サイトのAIO引用状況を比較しました。

まず、競合各社のAI引用状況を確認。そのうえで、各サイトがAIOの参照元として表示されているキーワードを抽出し、検索意図や引用されたページの種類ごとに分類しました。

調査の結果、抽出した約700個のKWのなかで、対象サイトでは9割が情報収集系のキーワードで引用を獲得しており、引用ページの大半がコラム・記事ページであることがわかりました。

一方、競合サイトでは記事だけでなく、トップページや商品一覧・詳細ページからの引用も確認されました。サービスの比較検討に関わる重要なキーワードでは、競合サイトが引用されているものの、対象サイトの引用は確認できませんでした。

つまり、記事コンテンツを通じた情報収集層との接点はある一方で、商品やサービスの検討に近い検索では、競合に比べて引用を獲得できていない可能性が見えてきたのです。

引用状況の比較から、具体的なコンテンツ改善へ

ここで注意すべきなのは、AIOの引用数が少ないという結果だけで判断しないことです。

今回の調査では、引用状況の差を確認した後に、実際に引用されている競合ページと自社ページのコンテンツを比較しました。

特に注目したのが、主要キーワードでAIOの引用を獲得していた競合のトップページです。

競合のトップページでは、取り扱い商品の種類だけでなく、対応可能なサービス、品質に関する特徴などが具体的に説明されていました。

一方、対象サイトのトップページにも自社の強みは記載されていましたが、数値や対応条件などの具体性という観点で、改善の余地が見られました。

そこで、単に説明文を増やすのではなく、サービスの特徴をより具体的に伝えるためのコンテンツ改善を提案しました。定量的な特徴や、客観的な評価・実績をあわせて紹介するといった改善です。

こうした情報は、AIによる情報の参照だけを目的としたものではありません。サービスを比較検討しているユーザーにとっても、発注先を判断するための材料になります。

もちろん、競合ページにこうした情報が掲載されていたことが、AIOに引用された直接的な理由だと断定することはできません。

しかし、第三者ツールを使った引用状況の比較をきっかけに、コンテンツの不足や改善すべきポイントを発見できたことには、大きな意味があると考えています。

AIOの引用データも、あくまで参考情報として活用する

AhrefsはAIOの引用状況を把握するうえで便利なツールですが、表示されるデータはAhrefsが収集した情報をもとにしています。

Google検索の結果は検索キーワードや地域、取得タイミングなどによって変化する可能性があるため、第三者ツールで確認した引用状況が、常にすべての検索結果を表しているわけではありません。実際に、分析の際に第三者ツールで確認した順位と、Googleの検索結果画面で見た順位が異なるケースが多々あります。

また、AIOに引用されたことと、サイトへの流入やCVが増えたことは別の話です。

そのため、当社ではAIOの引用数や引用キーワードだけで成果を判断するのではなく、実際の検索結果や自社サイトのパフォーマンスも確認しながら、改善方針を考案しています。

なお、2026年6月にはGoogle Search Consoleでも「検索の生成 AI パフォーマンス レポート」が発表され、同年8月31日までに全世界のWebサイト向けに展開されました。

このレポートでは、AI OverviewsやAI Modeなどにおける自社サイトのURLの表示回数や、表示されたページなどを確認できます。

出典:Google 検索セントラル「Search Console に検索の生成 AI のパフォーマンス レポートを導入」

自社サイトの生成AI機能における表示状況を把握する際にはSearch Consoleを活用し、競合との引用状況の比較やコンテンツ調査にはAhrefsなどを活用することで、それぞれのツールの強みを生かした分析ができます。

まとめ|ツールの数値を追いかけることがSEOの目的ではない

Googleが公開したガイダンスは、第三者ツールの利用を否定するものではなく、ツールが提供するデータやアドバイスを適切に評価する重要性を示したものです。

SEOの実務では、Search ConsoleやGA4だけですべての状況を把握できるわけではありません。競合調査や被リンク分析、AIOの引用状況など、第三者ツールを利用することで得られる情報も多くあります。

一方で、どれだけ便利なツールであっても、独自の評価指標や推定値をそのまま成果として扱うことには注意が必要です。

今回ご紹介したDRのKPI設定も、AIOの引用状況分析も、共通しているのは「その数値を何のために確認するのか」という点です。

SEOの目的が検索流入や問い合わせ、売上の増加であるならば、それらの成果を評価できる指標を設定し、第三者ツールは課題の発見や改善仮説の立案に活用することが大切です。

ツールの数値を改善すること自体を目的にするのではなく、その数値から何を読み取り、どのような改善につなげるか。

第三者ツールの活用が広がり、AI検索に関する新しい指標も増えている今だからこそ、SEOの目的に立ち返ってデータを判断する姿勢が重要です。

島村磨周

島村磨周

新卒でブルースクレイ・ジャパンへ入社。Webコンサルタントとして、toC向けECやtoB向けコーポレートサイトなどの様々な業種のSEO/LLMO成果改善を支援。

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