2024.10.31 2018.12.26
canonical(カノニカル)タグというタグをご存知でしょうか?
ユーザーの目に触れるようなhタグや、タイトルタグとは異なり、検索エンジンのためのタグです。
SEOに関する基礎知識や仕組みについては以下の記事で紹介していますのでそちらも合わせてご覧ください。
今回は通常お目にかからないcanonicalタグが何者なのか、いつ活用され、設定しておくと何にいいのかをお伝えしていきます。
目次
canonical(カノニカル)タグとは
”canonical”とは英語で「正典の、教会法に基づく、規準的な、標準的な」という意味を持つ単語です。
この「規準的な、標準的な」というところがこのタグの持つ役割に直結しており、canonicalタグを一言で言い表すなら、『検索エンジンに規準的なURLがどれなのかを示すためのタグ』と言えます。
いくつかのパターンで重複コンテンツ(コンテンツ内容がほとんど同じではあるが別URL)が発生する場合に、検索エンジンはどのページを検索結果に表示すべきか、どのページに評価を集約すべきか判断できません。そうすると、「類似するページが複数存在する」と認識されてしまい、評価が分散してしまいます。
しかし、このcanonicalタグを活用することにより、どのURLが規準的なのかを指定できます。これをURLの正規化と呼びます。
canonicalタグを設定することで、重複コンテンツになってしまっているURLのうち最も規準的なものだけがインデックス対象となり、そのほかのURLはインデックス対象から除外されます。(100%除外されるわけではないのでご注意ください。)
canonicalタグのおかげで分散してしまうSEO効果を1つの、正規URLに統一させることができます。
canonical(カノニカル)タグの記述方法
canonicalタグの記述方法は以下のような内容となります。
<link rel="canonical" href="正規ページのURL">
<body>要素にて設定してしまうと認識されない可能性があるので、 必ず<head>内に記述しましょう。
またできる限り<head>要素の中でも上部に設定する方が良いとされています。
canonical(カノニカル)タグが必要なケース
canonicalタグが必要なケースは以下の2つです。順番にご説明します。
- 重複コンテンツ
- リンク評価の集約
1.重複コンテンツ
重複コンテンツとなるケースは様々あります。例えば、以下のようなケースです。
- PCサイトとスマホサイトのURLが異なる場合
- カラーやサイズにバリエーションが複数ある商品の場合
- 記事やECサイトの商品一覧ページなどで並び替え条件を変えるとURLが変わる場合
様々なケースで重複コンテンツと認識されてしまう可能性があります。
PCサイトとスマホサイトのURLが異なる場合
スマホサイトがURLが異なる場合、canonicalタグと合わせて「alternateタグ」の指定も必要です。
スマホサイトを仮に、
https://bruceclay.jpn.com/sp/
や
https://sp.bruceclay.jpn.com/
といった形で別URLで展開する場合、PCのページとSPのページが別URLとなるため重複コンテンツと認識されてしまう可能性があります。
PCで検索しているにも関わらずSPのページが上位にヒットしているサイトをたまに見かけますが、往往にしてcanonicalタグが正しく設定されていない場合がほとんどです。
スマホサイトを別URLにする場合、PC側のHTMLには、
<link rel="alternate" media="only screen and (max-width: 640px)" href="https://bruceclay.jpn.com/sp/" />
上記のような記述を、またSP側のHTMLには、
<link rel="canonical" href="https://bruceclay.jpn.com/">
といったようにPCのURLを設定する必要があります。
こうすることで検索エンジンがサイトを見たときに/sp/のページはPCページのスマホ版なのだと正しく認識するようになります。
カラーやサイズにバリエーションが複数ある商品の場合
ECサイトで色違いやサイズ違いの商品が複数あり、すべて別URLで展開がされている場合にも重複コンテンツとして認識されてしまう場合があります。
人気のカラー等に評価を集約する方法をとることをおすすめします。Google検索セントラルのドキュメントでも、類似ページを集約することが推奨されています。
記事やECサイトの商品一覧ページなどで並び替え条件を変えるとURLが変わる場合
「新着順」「価格が高い順」「おすすめ順」等の条件で並び替えが可能なページにおいても同様です。
ユーザーにとっては使いやすく利便性が高いですが、検索エンジンからは重複していると判断される可能性があります。
並び替えごとに異なるURLが検索結果にそれぞれインデックスされている状態も望ましくありません。
デフォルトの並び替え条件のURLを正規URLとして指定し、評価集約することがすおすすめです。
2.リンク評価の集約
サイト内外からのリンク評価を集約するためにもcanonicalタグは重要です。
特に、外部サイトからの リンク(被リンク)はSEOの評価においても重要となるため、評価を集約しておくことが望ましいです。
前述したように、検索エンジンはURLが異なると同一コンテンツであっても、違うページと認識してしまうため、たとえ同じコンテンツへのリンクであっても、リンクに使われているURLが少しでも異なると、評価を集約できず、分散してしまいます。
異なるURLにリンクが貼られていても、canonicalタグで正規化しておくと、URLに対して個別評価されず、被リンクのパワーを集約することができます。
canonical(カノニカル)タグの誤った使用方法
Googleの公式ブログにおいて誤った使用方法の例がまとめられています。
- ページネーションが発生する場合の設定
- 相対パスでの記述
- 意図しない形で指定している、または 2 つ以上指定する
- カテゴリページまたはランディングページで特集記事へのリンクを指定する
- <body>タグ内に設定している
出典:https://webmaster-ja.googleblog.com/2013/05/5-common-mistakes-with-relcanonical.html
以上、5ポイントに関しては確実にミスのないように設定をしましょう。
また、以前はニュースサイトで、同じ記事を複数の異なるサイトでも配信する場合に、canonicalタグとnoindexタグの使用が推奨されていましたが、2023年にnoindexタグのみが推奨と変更されました。
canonical リンク要素は、シンジケーション パートナーによる重複を避けたい場合には推奨されません。ページが大きく異なることが多いためです。
引用:正規化に関する問題の修正
同一サイト内での正規化には、引き続きcanonicalタグの使用も推奨されています。
URLの正規化の方法
重複した URL を統合するという項目においてGoogleからの公式の見解も以下のページにて公開されています。
出典:https://support.google.com/webmasters/answer/139066?hl=ja
canonicalタグ以外にも、リダイレクト による正規化の方法もあります。以下のような場合には、canonicalタグよりも301リダイレクトによる正規化が推奨されています。
- www.や、index.html(php)のあるなしによって同一のコンテンツが表示される場合
- URL末尾に/(スラッシュ)のあるなしによって、同一のコンテンツが表示される場合
301リダイレクトは「恒久的な転送」を意味し、複数のURLを存在させる必要がない場合は、リダイレクトのほうが確実です。
canonical(カノニカル)タグの設定は慎重に!
canonicalタグはSEO上確実に設定しなければいけないタグの一つです。
ただし設定を間違えてしまうと検索エンジンにインデックスされない事態になりえます。
大規模サイトになればなるほど重複コンテンツの発生は避けられないと言えます。正しいルール設計のもと、canonicalタグを設定することで評価を統一させられるようにしましょう。
SEOコンサルタントチーム
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