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【成功事例に学ぶ】ECサイトのSEOで差がつく!売上を伸ばす改善ポイントとは?

2025.07.10 2025.07.10 

【成功事例に学ぶ】ECサイトのSEOで差がつく!売上を伸ばす改善ポイントとは?

ECサイトの集客や売上に伸び悩んでいませんか?

多くのEC担当者が「SEO対策はしているのに結果が出ない」と感じている一方で、サイト構造や評価設計を見直すことで、検索順位や売上を大きく伸ばしている企業も存在します。

本記事では、実際の成功事例をもとに、ECサイトのSEOで成果を出すための改善ポイントをわかりやすく解説。検索順位の向上だけでなく、“売上につながるSEO”を実現するための考え方と実践ステップをまとめています。

「SEO対策を見直したい」「設計のどこから改善すべきか分からない」――そんなEC担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

なぜECサイトにSEO対策が必要なのか

自然検索流入は“売上直結型”の資産になる

ECサイトを運営する上で、SEO(検索エンジン最適化)対策は欠かせない施策のひとつです。なぜなら、ユーザーが商品を探す際の多くは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンを利用しているからです。検索結果で上位に表示されればされるほど、アクセス数が増加し、購入につながるチャンスも高まります。

特に、広告に頼らずに安定した集客を実現するためには、SEOの基盤が重要です。リスティング広告は即効性がある一方で、費用対効果の面では長期的に見ると非効率になる場合もあります。一方でSEOは、一度作成したコンテンツは「資産」として残ります。

ECサイト特有のSEO課題とは?

ただし、ECサイトには他のWebサイトとは異なる、SEO上の特有の課題も存在します。代表的なものは以下の通りです。

  • 重複コンテンツの発生:商品のバリエーション違いや類似商品のページが多く、同じような説明文を使ってしまうケースが多い
  • 複雑なサイト構造:カテゴリが多層化しやすく、検索エンジンがクロールしにくい
  • パラメータ付きURLの乱立:絞り込み機能によるURLの重複や無限にページが生成されてしまう

これらの課題を放置すると、検索エンジンからの評価が下がり、上位表示が困難になります。

検索順位アップが売上にどうつながるか

SEO対策は単なるアクセス増加策ではなく、売上を伸ばすための戦略的施策でもあります。たとえば、「○○(ブランド名) シャツ メンズ」といった購入意図の強いキーワードで検索されたときに、自社のECサイトが上位に表示されていれば、その訪問者は購入に至る確率が高くなります。

このように、SEOによって検索結果での露出を高めることは、売上向上、さらには広告費の削減にもつながります。

売上につながるキーワードとは何か

売上が上がるキーワード

ECサイトにおけるSEO対策で重要なのは、単に検索ボリュームの多いキーワードを狙うことではありません。売上につなげるためには、「購入意欲の高いユーザー」が検索するキーワード、つまりコンバージョンにつながるキーワードを選定する必要があります。

たとえば、「革靴 メンテナンス 方法」と検索しているユーザーは情報収集段階にあるのに対し、「革靴 メンズ ビジネス 通販」と検索しているユーザーは明確な購入意図を持っています。後者のようなキーワードで上位表示されれば、商品ページへの直接的な流入が見込め、売上に直結しやすいのです。

このように、検索キーワードには「検索意図」によって段階があります。代表的な分類としては以下のようになります。

  • 情報収集型キーワード:使い方、効果、評判など(例:「加湿器 効果」「プロテイン 飲み方」)
  • 比較検討型キーワード:ランキング、おすすめ、レビューなど(例:「加湿器 人気 ランキング」)
  • 購入意欲型キーワード:商品名+通販、価格など(例:「加湿器 ダイソン 通販」)

ECサイトが優先的に狙うべきは、この購入意欲型キーワードです。これらのキーワードでの上位表示ができれば、アクセスは少なくてもCVRの高いユーザー層を取り込むことができます。

また、カテゴリーページや商品一覧ページでもキーワードの最適化は可能です。たとえば「レディース サンダル 通販」や「アウトドア ジャケット メンズ」など、カテゴリ×属性を掛け合わせたキーワードは、ボリュームと意図の両立ができる有効な戦略です。SEOで成果を出すためには、「集客力」と「購買意欲」のバランスを見極めて対策しましょう。

ただし、これらのキーワードは一定の検索ボリュームがあり、購入意欲も高いキーワードですが、上位化難易度も高いケースが多いため、SEO戦略をしっかりと立てることが大切です。

ECサイトのSEO成功事例2選

ECサイトにおけるSEO施策の成果は、「何をやったか」「どこに効いたか」が非常に明確に表れます。ここでは、実際に成果を上げた2つのサイト事例を紹介します。それぞれ、カテゴリ構造やクロール制御といったサイト全体の設計部分を中心に改善を行い、大きな成果につながったケースです。

事例①:不要インデックス制御と構造最適化で検索順位1位を獲得

背景と課題:指名流入頼りの状態から脱却できず

このECサイトは、健康食品を中心に取り扱う中規模サイトでした。主な集客はリピーターや指名検索によるもので、注力キーワードでは検索順位が20位前後にとどまり、売上の伸び悩みが課題でした。

SEO分析を行った結果、以下のような構造的な問題が明らかになりました。

  • 不要ページ(カートやログイン後ページ、広告LPなど)が大量にインデックスされていた
  • カテゴリ階層がなく、商品ページが全てフラットに存在していた
  • 商品説明に画像だけが使われ、テキスト情報が検索エンジンに伝わらない状態
  • サイトマップXMLにルールがなく、重要ページが適切にクローリングされていなかった

これらの要因により、検索エンジンに正しく評価されるべきページが埋もれ、SEO効果が分散している状態でした。

実施したSEO施策:段階的な構造改善とコンテンツ最適化

不要ページのインデックス制御

最初に取り組んだのは、不要ページのインデックス制御でした。 カート、マイページ、ログイン後の情報、広告用LPなどがクロール・インデックス対象となっていたことで、低品質なページが多数あり、サイト全体の評価を下げていたため、上記のようなページをインデックス対象外設定(noindexの調整)を行ったところ、対策キーワードで一気に検索順位が1ページ目まで上昇

その後、構造とコンテンツの両面において以下のような施策を段階的に展開しています。

カテゴリ構造の最適化

カテゴリ階層の改善

次に、カテゴリ構造の最適化に着手しました。これまでカテゴリページと商品詳細ページが並列の階層に位置し、テーマ性が欠如していたため、階層構造を付けることで検索エンジンにとってサイト全体のテーマ性が把握しやすくなるよう構成を見直しました。(この時点で2位まで上位化)

画像のテキスト化やコンテンツ追加

加えて、商品ページに使用されていた画像中心の説明も見直し、検索エンジンが認識できるテキスト情報を追加。画像のalt属性や本文へのテキスト追加により、情報の網羅性と検索適合性を強化しました。さらに、商品ページ内の不足するコンテンツや商品説明を拡充し、コンテンツの充実化を図りました。

また、サイト内導線の最適化も合わせて行い、特に主要カテゴリや人気商品への内部リンクを強化することで、ページ間の関連性を明示し、評価の集中と巡回性の向上を両立させました。

以下に、これらの改善をフェーズごとにまとめます。

フェーズ 実施内容
初期 不要ページのnoindex、robots.txt調整、XMLサイトマップ整備
中期 パンくずリストの導入/カテゴリ構造の再設計
後期 商品説明にテキスト情報を追加(画像の代替テキスト化)、内部リンク設計の見直し(主要カテゴリ・人気商品への誘導)

成果:検索順位1位&購入数132%増

改善施策を進める中で、検索順位は20位前後から、最終的には注力キーワードで1位を獲得するまでに至りました。

また、順位改善に合わせて、商品詳細ページにおけるCRO(コンバージョン率最適化)も実施。追従カートボタン、価格表示の最適化、ページスピード改善(WebP/LazyLoad)、ページ内ジャンプボタンなどにより、購入率も大幅に改善し、購入数は132%増という明確な成果が得られました。

この事例から学べるポイント

この事例で得られた重要な教訓は以下の通りです。

  • SEOは評価させるページを選ぶことが第一歩
  • カテゴリ構造の最適化とパンくず設計がテーマ性強化に直結
  • 画像だけの情報は検索エンジンに伝わらない、テキストとの併用が重要
  • SEOとCROを並行して改善することで、流入から売上まで一貫して伸ばせる

特に、インデックス・クロールの制御とカテゴリ構造の改善は、ECサイトのSEOにおける 最も基本でありながら最も効果的な施策 であることが改めて示されました。

事例②:構造とタグ設計の再構築で一般キーワード流入が急増した大型ECサイト

背景と課題:ブランド名検索だけでは伸びなくなってきた集客課題

この事例は、複数ブランドを1つのドメインで展開していたアパレル系の大規模なECサイトです。元々はブランド名での指名検索流入がほとんどを占めていましたが、指名キーワードの検索量が徐々に減少し、今後の成長のためには一般キーワードからの新規流入が必須という課題を抱えていました。

SEO分析の結果、次のような構造的な問題が浮かび上がりました。

  • カテゴリ構造が複雑化しており、全体カテゴリとブランドカテゴリが混在し、サイト構造が不明瞭
  • 商品詳細ページが「ブランドカテゴリ」にのみ属していて、アイテムカテゴリとの関連が薄い
  • 「色」「素材」などの需要が高い掛け合わせページが存在しない
  • パラメータ付きURLや絞り込み検索結果ページなど、重複ページが大量にクロール・インデックスされていた
  • ログイン関連ページだけで約1万URLがクロールされ、クロールバジェットを消費していた
  • 一般キーワードを含まない商品タイトルが多く、検索対象として弱かった

実施したSEO施策:構造とタグのルールを全面再設計

カテゴリ構造の整理

カテゴリ階層の変更・パンくずの変更

最初に行ったのは、カテゴリ構造の再設計です。 ブランドカテゴリにのみ属していた商品詳細ページを、横断的なアイテムカテゴリに紐づく構成へと変更し、検索エンジンにとってサイト全体の分類軸が明確になるよう設計し直しました。ブランドやブランドの他の商品とは、内部リンクを最適化することで関連性を高めました。

また、「カテゴリ × 色」等の需要の高い掛け合わせページを作成し、各カテゴリの配下に一覧を配置しました。

クロール制御

次に、クロールやインデックスに関する技術的な最適化を行いました。具体的には、パラメータ付きページに対するcanonicalタグの設計ルールを統一し、重複コンテンツを正規URLに集約。また、robots.txtを活用して、ログイン関連や不要な並び替え・絞り込みページのクロールを抑制するルール設計を、インデックスされている不要ページには、noindexタグのルール設計を行いました。

タイトルの最適化

さらに、カテゴリ一覧ページや商品ページのタイトルルールを再設計し、「レディース」「メンズ」などの一般的な検索キーワードを含めたフォーマットに変更。ブランド名だけでなく、ユーザーの検索意図にマッチする情報を含めることで、新たな検索経路からの流入が期待できる状態へと切り替えました。

以下に、施策の内容を整理します。

フェーズ 実施内容
初期 商品ページの構造変更(ブランドカテゴリ → アイテムカテゴリへ)
中期 canonicalタグのルール設計、robots.txtによるクロール制御の明確化
後期 商品タイトルに一般ワード(性別・用途)を追加した設計へ変更

成果:一般キーワードで複数上位化、セッション数146%増

これらの改善を実施してから数か月後、次のような成果が得られました。

  • 「アイテム名」単体キーワードでの上位化
  • 「レディース〇〇」「メンズ〇〇」などの一般キーワードでの検索順位が複数ワードで10位以内に上昇
  • 結果として、セッション数は対策前と比較して146%増加
  • 上位化キーワード経由の購入数改善も見られた

この事例から学べるポイント

この事例は、構造の整理と検索意図に応じたキーワード設計によって、サイト全体の評価が劇的に変わることを示しています。

  • カテゴリ構造が複雑なECは、まず「評価させたい軸」で整理することが重要
  • 重複URLや不要ページは検索評価を分散させるため、明確に制御するルール設計が必要
  • 商品タイトルには、ユーザーが実際に検索するキーワード(性別・カテゴリ名など)を意識して含める
  • 構造改善・クロール最適化・検索意図対応の3点セットで成果が最大化される

ECサイトSEOの共通成功要因とは?

これまで紹介した2つの事例から見えてきたのは、単なる個別ページの対策の積み重ねではなく、「どのページを評価させるか」を軸にしたサイト全体の設計と運用が、SEO成果を大きく左右するということです。

事例①では、不要なページのインデックスを制御することで、検索エンジンの評価を本来見せたいページに集中させ、検索順位が急上昇しました。事例②でも、複雑なカテゴリ構造やクロールの無駄を排除し、テーマ性と評価軸を整理したことで、一般キーワードでの上位化とセッション数の大幅な増加につながりました。

どちらのケースにも共通していたのは、“検索評価をどこに集めるか”を意識した構造と設計に軸を置いていた点です。

成功事例に共通する3つの視点

成功要因 解説
評価されるページの選定と集中 不要ページの除外(noindexやrobots.txtの活用)によって、検索エンジンの評価が本来届けたいページに集中
カテゴリ構造とパンくず設計の最適化 ユーザーと検索エンジンの両方にとって、サイト内のテーマ性が明確に伝わる構造に再設計
検索意図に合ったタイトル・コンテンツ設計 商品ページのタイトルやカテゴリ名に、一般的かつ検索されやすいキーワードを含める設計に変更

こうした本質的な改善を行うことで、単なる“順位アップ”ではなく、“売上に結びつくSEO施策”へとつながったのです。

また、どちらのケースでも「まず構造を整える」ことが最初のステップになっていた点も重要です。SEOはコンテンツだけではなく、「どこに何を配置し、どのようにクロールさせるか」まで含めて設計する必要があるという認識を持つことが、成果の第一歩となります。

自社で実践するための3つのステップ

成功事例を読んで「うちも取り組みたい」と感じた方も多いのではないでしょうか。しかし、やみくもに施策を打つのではなく、現状把握→優先度の決定→段階的な改善というステップを踏むことが、成果につながる鍵です。

ここでは、今回紹介したようなSEO成果を自社でも再現するために、まず取り組むべき3つのステップをご紹介します。

ステップ①:現状を分析し、評価されるべきページを把握する

最初に取り組むべきは、自社ECサイトの現状を客観的に把握することです。検索順位が上がらない原因は、構造・コンテンツ・クロール状況などさまざまですが、何が課題なのかを可視化しないまま施策を始めても、期待する成果にはつながりません。

Google Search Console や Google Analytics 4(GA4)を活用し、以下の観点で分析を行うことで、「どこから改善すべきか」「どの部分が機会損失になっているか」の判断ができるようになります。

分析内容 分析方法
インデックス・クロール状況の確認 Search Console「インデックス作成>ページ」で、インデックス登録された/されなかったページを把握。不要ページが検索対象になっていないかを確認します。
対策キーワードとカテゴリ構造の整合性 指定キーワードの上位表示ページを確認し、パンくずリストやカテゴリ体系が整理されているかをチェックします。
導線設計やCVR改善余地の確認 GA4の「探索レポート」で、ランディングページごとの流入~購入の動線やCVRを確認。主要導線上にあるカテゴリ・商品詳細ページの改善点を洗い出します。

このような分析を行うことで、「まずは不要ページのインデックス除外から着手するべきか」「構造の見直しが先か」「それともキーワード設計を再検討すべきか」など、施策の優先順位が明確になります

分析の結果を踏まえて、次にご紹介するような具体的な改善アクションへとつなげていきましょう。

ステップ②:不要ページを制御し、サイト構造を整理する

分析の結果、インデックス状況やサイト構造に課題が見つかった場合は、まず検索エンジンが正しく評価すべきページに集中できるよう、構造とクロールの整理から始めましょう。

たとえば以下のような対応が、ECサイトでは特に重要です。

  • robots.txt でログインページや不要な検索結果ページのクロールを制限
  • noindexタグ で検索に出すべきでないページを明確に排除
  • canonicalタグ でパラメータ付きページを正規URLに集約

また、カテゴリ構造の見直しとパンくずリストの整備も、SEO評価の軸を定めるうえで非常に有効です。カテゴリ構造の見直し時に注意すべきは、ディレクトリ構造の見直しは不要という点です。検索エンジンがカテゴリ構造を理解するためには、パンくずリストや内部リンクの構造などを用いて理解するため、ディレクトリ構造を見直す必要はありません。

ステップ③:検索意図に合ったコンテンツとタイトル設計を行う

サイト構造の整備やインデックス・クロールページの制御ができたら、次は検索意図に応じた情報設計に取り組みましょう。ステップ①で得られたCVRや導線分析の結果を踏まえ、検索流入から購入までをスムーズにつなげるためのコンテンツとタイトルの見直しが重要です。商品タイトルやカテゴリ名に、「ユーザーが実際に検索するキーワード」が含まれているかを確認してみてください。

  • 商品名に加えて「用途」「対象」「ジャンル名」などを補足
  • カテゴリ名を「メーカー視点」ではなく「ユーザー視点」に
  • 一覧ページやまとめコンテンツもキーワードと意図を踏まえて設計

このように、構造とコンテンツを連動させて設計することが、検索流入を売上につなげるための最後の仕上げとなります。

まとめ

ECサイトにおけるSEO対策は、単に検索順位を上げるためのテクニックではなく、売上やコンバージョンと直結する経営的施策です。本記事では、SEOの重要性から始まり、成果を生んだ実例、実践的な改善ポイント、そして継続的な運用方法までを体系的に紹介してきました。

SEOは「やれば終わり」ではなく、「やり続けることで資産化」していく取り組みです。今回紹介した成功事例や実践ポイントを、自社ECサイトに落とし込んでいくことで、安定的かつ継続的な集客・売上アップを実現することができるでしょう。

弊社では分析による課題発見から実装のサポートを行うSEOコンサルティングサービスがございます。気になる方はぜひお問い合わせください。

BCJ管理人

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ブルースクレイ・ジャパン(株)サイトの管理人です。 担当業務は全ファネル領域におけるサイト改善コンサルです。

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