2022.06.14 2021.08.24
※この記事はBruce Clay Inc. の「The Latest on Click-Through Rate by SERP Position」を抄訳したものです。
昔から、検索結果の2ページ目は死体を隠すのに最適な場所だと言われてきました。そして、それは今も変わりません。
クリックのほぼ100%は、1ページ目で起こります。そして、1ページ目のどの位置に表示されているかによって、クリック数が変わってきます。
つまり、クリックされるには1ページ目に表示される必要があるということです。そして、最も多くのクリックを得るためには、そこでどのような位置に表示されるかを考える必要があります。
この記事では、CTR(クリック率)と検索結果ページの位置に関するデータを共有し、いくつかの見解を述べます。
目次
本題に入る前に
検索ユーザーはどんどん賢くなっており、検索行動は複雑化しています。多くのユーザーは最初の結果だけを見るわけではなく、複数の結果を見てから目的のものを選びます。
それだけでなく、結果結果の内容はクエリごとに変わります。つまり、「10個の青いリンク」だけではなく、さまざまな検索結果の機能が表示される可能性があるということです。
そして、その様々な機能の組み合わせがCTRに影響を与えます。
結局のところ、データを鵜呑みにすることはできません。数字で見るとわかりやすいですが、特にSEO担当者としては結果から逆算して、「なぜその結果をクリックしたのか?そもそもその結果が1位になった要因は何か?」を理解する努力が必要です。
検索結果順位別の CTR(クリック率)
研究によってデータは多少異なりますが、検索結果の順位別のCTRに関する最新の研究では、ページの最初のオーガニックリンクが最もクリックされ、それ以降のポジションでは減少するということが共通で示されています。
検索結果の順位ごとにCTRがどの程度変化するかという点が調査によって最も差が出た部分ですが、これは企業がそれぞれ異なる方法を用いてデータを算出していることが理由です。
例えば、Ignite Visibility社のデータでは、1位から3位までのCTRは以下のようなデータになっています。
1位 :43.32%
2位 : 37.36%
3位 :29.90%
一方Sistrix社の調査では、数十億件の検索結果を分析した結果、以下のような全体的なクリックデータが得られました。
1位 : 28.5%
2位 :15.7%
3位:11%
そして、Backlinko社は以下のデータを公表しています。
1位:31.73%
2位:25.71%
3位:18.66%
BruceClay Inc.:順位別クリック率のデータ比較
比較表にあるように各研究のパーセンテージの違いは、全体的な傾向を変えるものではないようです。事実、どの調査でも一般的には検索結果の上位にあるほどクリックされる確率が高いことを示しています。
検索結果は変化するが、CTR(クリック率)も変化するのか?
一般的な平均値は興味深いものですが、それぞれの検索結果が異なる特徴を持っているという事実を考慮しなければなりません。そしてそれはCTRにどのような影響を与えるのでしょうか?
Sistrix社はこの疑問に答えようと、検索結果の違いによるCTRの違いを詳しく調査しました。
最近ではトラフィックの大半がモバイル端末から来ているため、Sistrixはデスクトップではなくモバイルの行動のみを調査しました。
以下の平均的なCTRを異なるタイプの検索結果のCTRと比較したのです。
1位 – 28.5%
2位 – 15.7%
3位 – 11%
10本の青いリンクだけで表示される検索結果
検索結果のレイアウトが10本の青いリンクだけで、他の特別な要素がない場合、オーガニッククリックの割合は、検索結果全般と比較して最初の2つのポジションで非常に高くなりましたが、クリック数は3番目の結果の平均とほぼ同じでした。
1位 – 34.2%
2位 – 17.1%
3位 – 11.4%
Sistrix:Why (almost) everything you knew about Google CTR is no longer valid より
強調スニペットを伴う検索結果
強調スニペットは、写真のように他のすべてのオーガニックリンクの上に表示されるため、「ポジションゼロ」と呼ばれることもあります。
Sistrix社の調査によると、検索結果に強調スニペットが表示されていると、オーガニックの最初の検索結果のCTRが約5%低下します。彼らは次のように説明しています。
1位(強調スニペット付き)のCTRは、この順位の平均値よりも5.3%低い結果となりました。強調スニペットの情報が作成されたウェブサイトは、強調スニペットの恩恵を受けていません。
興味深いのは、2位と3位のウェブサイトが大きな恩恵を受けていることです。2位のサイトのCTRは、平均値に比べて約5%上昇し(15.7%から20.5%)、3位のサイトでもCTRが11%から13.3%に上昇します。
Sistrix:Why (almost) everything you knew about Google CTR is no longer valid より
ターゲットキーワードが検索結果に強調スニペットとして表示される傾向にある場合は、その強調スニペットに合わせてウェブページを最適化し、より多くのクリックを得られるように努力する価値があります。
ダイレクトアンサーのある検索結果
検索結果にGoogleからの直接的な回答が掲載されている場合(電卓、測定値の変換、天気など)、オーガニックの1位とそれ以降の順位の平均CTRは急落しました。
Sistrix の解説:
The CTR in the first position almost halved and plummeted from 28.5% to only 16.3%. But there is also a first in the data: the second organic position receives more clicks than the first position with this SERP layout: 16.7% of Google users click on # 2 and not on # 1.
1位のCTRはほぼ半減し、28.5%からわずか16.3%に激減しました。しかし、この検索結果レイアウトでは、オーガニック順位の2位が1位よりも多くのクリックを得ているというデータもあります。
16.7%のGoogleユーザーが、1位ではなく2位をクリックしているのです。
※日本語は筆者訳
Sistrix:Why (almost) everything you knew about Google CTR is no longer valid より
他のユニバーサル検索結果を持つ検索結果
検索結果にニュース、画像、レシピなどのユニバーサル検索結果がある場合、オーガニックの青いリンクは、他に要素がない場合に比べてクリック数が少なくなっていました。
以下にいくつかの例を示します。
・ニュース表示を含む検索結果
Sistrix:Why (almost) everything you knew about Google CTR is no longer valid より
・レシピ表示を含む検索結果
Sistrix:Why (almost) everything you knew about Google CTR is no longer valid より
・動画表示を含む検索結果
Sistrix:Why (almost) everything you knew about Google CTR is no longer valid より
興味深いことに、動画を掲載した検索結果では、最初のオーガニックリストのCTRがかなり向上しました。これについては後ほど説明します。
ユーザーがどのように 検索結果を見るか
データによると、1位が最も多くクリックされています。しかし、それは検索ユーザーがクリックする前に最初の結果だけを見ているということでしょうか?
Ignite Visibility社のデータは、そうではないことを示唆しています。
When asked how many search results they read before clicking a link, 17.4% said they looked at three results, followed by 15.6% who only read the first result, 14.2% who read five, 14% who read 10+, 13.4% who read four, 8.4% who read two, and 7.6% who read six.
リンクをクリックする前に何件の検索結果を読んだかを尋ねたところ、「3件」と答えた人が17.4%と最も多く、次いで「1件目のみ」が15.6%、「5件」が14.2%、「10件以上」が14%、「4件」が13.4%、「2件」が8.4%、「6件」が7.6%となりました。
※日本語は筆者訳
Ignite Visibility :SEO and Intent 2020 より
これは、デスクトップユーザーが左上から下に向かってスキャンし、クリックしたい結果を見つけるという、他の(古い)調査結果と一致しています。
この調査では、検索ユーザーが検索結果の機能をすべて利用しているにもかかわらず、大多数(55.1%)が文章によるコンテンツを好み、次いで画像を好む29.1%、動画を好む13.8%、音声コンテンツを好む2%という結果が出ています。
前の段落で説明したように、検索の検索結果に動画が含まれていると、オーガニックの「青いリンク」の最初のリストがより多くのクリックを得られることの説明になるかもしれません。
これは何を意味するのか?
圧倒的に、検索結果で最も上位に表示される結果が最も注目されます。それはわかっています。しかし、実際のところはどうなのでしょうか?
SEOの観点からは、検索結果上でターゲットキーワードに対してどのようなタイプの機能が表示されるのかを理解し、それに対して最適化を行うことが必要です。
もちろん、検索結果でのダイレクトアンサーのように、競争を困難にするものと戦わなければならない場合もあります。
キーワードで誰が上位にいるのかがわかったら、次は競合の分析を始めます。目標は競合と比較して不完全さを最小限に抑えることであることを忘れないでください。
そのためには、適切なツールを使って、競合が何を正しく(そして間違って)行っているかをよりよく理解する必要があります。
BCJ管理人
ブルースクレイ・ジャパン(株)サイトの管理人です。 担当業務は全ファネル領域におけるサイト改善コンサルです。
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